MRI原理教室 PR

MRI原理教室①【MRIは何を観察しているのか】

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あざらし

それではMRI原理教室を始めるよ。

いぬ

ん?唐突になんか始まったぞ

あざらし

今回はMRIが対象にしているものです。

いぬ

(あれ?無視された)

あざらし

早速結論ですが、MRIは体内のプロトンを観察しています。
MRIでのプロトンは水素原子の原子核(陽子)のことです。

MRI原理教室では、学生やMRIが苦手な技師でも理解できるように優しく解説をしていきます。

MRIとは

まずはMRIとは何かを理解しましょう。

MRIはMagnetic Resonance Imagingの略語で頭文字をそれぞれ取ってMRIと言います。
日本語にすると磁気共鳴画像診断です。

MRIはX線検査(レントゲン)やCT検査と異なりX線を使用していません。
なのでMRIは被ばくをしません。

実際の写真がこちらになります。

MRIはどのように画像化しているのか

X線検査やCT検査はX線を使用することで、身体を画像にしています。

では、MRIは何を使って画像を作成しているのでしょうか?




答えは磁場RFパルスです。
詳しくは今後解説をしていきますが、磁石の力で画像を作成していると解釈してください。

MRIは何を観察しているのか

冒頭でも書きましたが、MRIは磁石の力を使い、体内のプロトン(水素原子の原子核)の変化(動き)を観察しています。

上の表から分かるのは、核元素の感度と生体中の存在数です。
水素原子がダントツでMRIに適しているのがわかります。

更に、人体は60〜70%が水分で20〜30%は脂質でできています。これらは水素原子を多く含んでおり、さらには磁性を持つ原子核でもあるのでMRIの対象となっています。

原子核は磁性核と非磁性核があります。
磁性は陽子と中性子に備わった磁気モーメントによるものであり、陽子と中性子は反対方向の磁気モーメントを有しています。
つまり陽子と中性子がペアになるとお互いの磁気モーメントを打ち消し合います。
なので陽子数と中性子数のどちらか一方、もしくは両方が奇数の核種出ないとMRIの対象にはなりません。

水素(1H)は原子番号1で陽子1個だけの原子核となり磁性核となります。
このプロトンは生体内のほとんどの分子に含まれています。

しかし、体に存在する全ての水素原子核がMRIで検出できるわけはありません。
検出できるのは水と脂肪の水素原子核だけです。

水と脂肪の水素原子核のみが検出できる理由

人の体の中で、1H原子核は水、脂肪、タンパク質、炭水化物、ビタミンなど多くに含まれています。

しかし、検出できるのは水と脂肪の1Hだけです。

理由は2つ。

  • 量が少ないため、信号が小さく雑音に埋れてしまう
  • T2(横緩和時間)が短いため受信時には、雑音以下に減衰してしまう

T2などの専門用語が出てきましたが、今後詳しく解説をします。
今は、検出できるのは水と脂肪の1Hだけと覚えておけば十分です。

まとめ

まとめ
  • MRIは人体に豊富にある水素原子核(MRIではプロトンと呼ぶ)を観測している。
  • 生体内の分子のほとんどは水素原子核を含んでいるが、MRIで検出できるのは水と脂肪のプロトンのみ。

今回はMRIで人体の何を観測しているのかに焦点を置きました。

MRIの勉強の中でも基礎となる部分なのでしっかりと理解しましょう。

それではまた!!

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