MRI過去問解説

第6回 MR専門技術者認定試験 解答と解説

radio-neko

MR専門技術者認定試験って問題はあっても、解答や解説ないですよね。
そんな貴方のお悩み解決しましょう!!

解答・解説に保証はありませんので、参考程度にお願いします。
また間違いや、ご指摘ありましたらご連絡お願いします。

図や臨床画像に関しては、過去問を参照してください。

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Contents
  1. 第一部
  2. 第二部

第一部

1)脊椎・脊髄について,正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1. 脊髄の髄内腫瘍の代表的なものに神経鞘腫がある.
2. 良性の脊椎腫瘍で最も頻度が多いのは血管腫である.
3. 悪性の脊椎腫瘍で最も頻度が多いのは転移性腫瘍である.
4. 上衣腫は出血しやすいのでT2*強調像の追加は有用である.
5. Chiari 奇形による脊髄空洞症は,第4 脳室と連続性を示す交通性脊髄空洞症である.

答えと解説

1.× 髄内腫瘍の代表的なものは、星細胞腫、神経膠腫(上衣腫)がある

2.○

3.○

4.○

5.×

2) 正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. STIR(Short T1 Inversion Recovery)の最適なTI 値は静磁場強度に正比例して延長する.
2. SPAIR(spectral attenuated with inversion recovery)はB1 不均一に強いので特に低磁場装置で有用である.
3. FLAIR(fluid attenuated inversion recovery)でTR を長くすると脳脊髄液のnull pointも長くなる.
4. Binominal pulse は1-1 タイプより1-2-1 タイプのほうが最短TE は延長する.
5. CHESS(chemical shift saturation)法では脂肪抑制に用いる照射パルスの送信出力が大きいほど脂肪抑制効果が高い.

答えと解説

1.× 延長はするが正比例はしない

2.× 高磁場で有用

3.○

4.○

5.×

3) 脳出血の性状と脳実質とのコントラストの組合せについて,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. 出血後50 日:ヘモジデリン-T2 強調像で低信号.
2. 出血後2 週間:ミオグロビン-T1 強調像で高信号.
3. 出血後1 週間:メトヘモグロビン-T1 強調像で等信号.
4. 出血後2 日:デオキシヘモグロビン-T2 強調像で低信号.
5. 出血後6 時間:オキシヘモグロビン- T1 強調像で軽度高信号.

答えと解説

1.○

2.× フリーメトヘモグロビンでT1WIで高信号

3.× メトヘモグロビンでT1WIで高信号

4.○

5.× オキシヘモグロビンでT1WI1で等信号

4) 関節のMRI について,正しい文章を選択して下さい.(正解1つ)

1. 肘部管症候群は,ガングリオン等による正中神経の圧迫が原因で起こり,T2 強調像の横断面で観察しやすい.
2. 肩関節の棘上筋腱は肩の腱板で最も断裂しやすく,外転外旋位の脂肪抑制T2 強調像の斜冠状断面が観察しやすい.
3. 膝の十字靱帯断裂は,前十字靱帯より後十字靱帯で生じやすく,T2 強調像の矢状断面で観察しやすい.
4. 足関節におけるマジックアングル現象は,靱帯や腱に対する高信号領域の出現があり,T2*強調像の矢状断面で問題となりやすい.
5. 手関節のTFCC(triangular fibrocartilage complex)損傷は,手根骨と尺骨を支持している靱帯や腱鞘の損傷のことで,T1 強調像の冠状断面で高信号域として観察できる.

答えと解説

1.× 尺骨神経の圧迫が原因

2.× 内転外旋位が観察しやすい

3.× 前十字靭帯の方が断裂しやすい

4.○

5.× T2*WIで高信号

5) Gd-DTPA 造影剤を用いたダイナミック造影検査について,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. 下垂体は高速SE(spin echo)法T1 強調像を選択する.下垂体腺腫は,正常下垂体より早期濃染する.
2. 頭部灌流画像はEPI(echo planar imaging)法を選択する.造影剤による脳局所の信号上昇を捉えた曲線から,脳血流パラメータを算出する.
3. 乳房は脂肪抑制を併用した3D gradient echo(GRE)法を選択する.撮像条件は,空間分解能と時間分解能を両立するために1 時相1 分程度に設定する.
4. 肝臓はin-phase のGRE 法を選択する.肝動脈塞栓術後のリピオドールは,障害陰影とならない.
5. 膵臓は脂肪抑制を併用したT1 強調像を選択する.典型的な膵臓癌は動脈相で膵実質より高信号に濃染する.

答えと解説

1.× 正常下垂体より遅れて濃染する

2.× 信号低下を捉える

3.○

4.○

5.× 典型的な膵癌は早期相では膵実質に比べて造影効果が劣り、遅延相で徐々に造影され高信号になる

6) Gd-EOB-DTPA 造影検査について,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. 健常人に投与した場合,50%以上が尿中から排泄される.
2. 投与後、肝臓の信号増強効果は少なくとも2時間持続する.
3. 投与後,約20分で肝臓のKupffer細胞に取り込まれT1強調像で肝実質は高信号を呈する.
4. 動脈相で濃染する結節と肝臓のコントラストは,一般的にGd-DTPA より高く描出される.
5. ほとんどの血管腫はwash out が遅延するので,投与後20 分の相は高信号として描出される.

答えと解説

1.○

2.○

3.× 肝細胞に取り込まれる

4.×

5.×

7) 骨盤のMRI について,正しい文章を選択して下さい.(正解1つ)

1. T1 強調像における内膜症性嚢胞の高信号は,高蛋白成分を示す.
2. T1 強調像におけるdermoid cyst の高信号は,高蛋白成分を示す.
3. 子宮筋腫はT1 強調像における腫瘤内の点状高信号が診断のサインでもある.
4. T2 強調像におけるjunctional zone の低信号は,毛細血管レベルのflow void を示す.
5. 前立腺の生検部位はT1 強調像で高信号を示すので,診断上,生検後3 週間以上の期間を設ける必要がある.

答えと解説

1.× 血液により高信号

2.× 脂肪により高信号

3.× 子宮腺筋症

4.× 筋繊維密度が高く水分含有量が少ないため低信号

5.○ 当時は正解だが、現在は生検後8週間以上開けることが推奨されている

8) 腹部の拡散強調画像(TE80ms)でb=50s/mm2 と比較した場合にb=800s/mm2 の画像の説明として,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. 肝臓と腎臓のコントラストは小さくなる.
2. 肝臓内の血管の同定がしやすくなる.
3. 腎臓と脾臓のコントラストは逆転する.
4. 肝実質と肝嚢胞のコントラストは小さくなる.
5. 肝嚢胞と転移性肝腫瘍のコントラストは小さくなる.

答えと解説

1.○

2.×

3.× DWIで脾臓は比較的高信号

4.○

5.× 腫瘍は高信号になり、嚢胞は低信号になる

9) Gradient Echo 法について,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. 静磁場強度が高くなる程,opposed phase とin-phase の間隔は小さくなる.
2. T1 強調像を撮像する際は,SNR が最大となるFA(flip angle):90°が望ましい.
3. 造影を行う場合は,造影効果を考慮しTE は可能な限り最短を用いるのが望ましい.
4. バランスドSSFP ではダミーパルスの印加方法,印加数により画像コントラストが変化する.
5. コントラストはFA により変化し,30°以下の小さいFA を用いることで,T2 強調像を取得することができる.

答えと解説

1.○
1.5Tのopposed phaseは2.2msでin-phaseは4.4ms
3.0Tのopposed phaseは1.1msでin-phaseは2.2ms

2.× エルンスト角が望ましい

3.× paradoxial suppressionを考慮してin-phaseになるようにTEを設定する

4.○

5.× T2*WIを取得

10) 脂肪抑制法について,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. CHESS 法は周波数差を利用する方法である.
2. 1.5T での脂肪の中心周波数は水よりも224Hz 高い.
3. 選択的脂肪抑制法は,静磁場強度が高い方が有利である.
4. 局所磁場変動に最も影響されないのは,水選択励起法である.
5. STIR 法は,IR パルスを用いる方法で,脂肪のみを抑制することができる.

答えと解説

1.○

2.× 水よりも224Hz低い

3.○

4.× STIR法

5.× STIR法は非選択的脂肪抑制方法である

11) SE-EPI 型拡散強調像シーケンスについて,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. 位相エンコード数によって画像歪みに変化はない.
2. 画像歪みを改善するために受信バンド幅を狭くした.
3. MPG(motion probing gradient)による画像歪みは起こらない.
4. 受信バンド幅に関係なく実効TE を短縮すると画像歪みは低減する.
5. 拡散測定時間はADC(apparent diffusion coefficient)値に影響を与える.

答えと解説

1.○ 位相マトリクスとTEは歪みに関係しない

2.× バンド幅は広くする

3.× 渦電流の影響で歪む

4.×

5.○

12) MRA の特徴について,正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1. PC 法はTOF 法に比べ,患者の動きに影響されにくい.
2. 位相コントラスト(phase-contrast)PC 法は,特定の流速を強調できる.
3. TOF(time of flight)法はPC 法に比べ,断層面に平行な流れを描出しにくい.
4. MTC 法は,タンパク質に含まれるプロトンや脂肪の信号を飽和させる手法である.
5. PC 法において,速度エンコーディング(venc)を100cm/sec と設定した場合,125cm/sec の血流の位相シフトは,反対方向の75cm/sec の位相シフトと区別できない.

答えと解説

1.×

2.○

3.○

4.× 脂肪と自由水はMT効果は低い

5.× 反対方向の25cm/secの位相シフトと区別できない

13) Black blood technique について,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. in-flow suppression 法は,周波数選択的パルスを用いる簡易的な方法である.
2. MSDE(motion-sensitized driven equilibrium)法では,拡散強調画像撮像時よりも高いb 値を用いて血液抑制効果を得る.
3. double-inversion recovery法は,2つの非選択的inversion pulseを用いる方法でin-flow suppression法よりも良好な血液信号抑制効果を得られる.
4. MSDE法は,傾斜磁場を用いて血液スピンの位相分散を引き起こし,信号を抑制する手法である.
5. MSDE 法は,180°パルスを挟んで対称に傾斜磁場を印可する拡散強調画像撮像のシーケンスデザインをプレパレーションパルスとして用いる.

答えと解説

1.× 周波数非選択的パルスを印加

2.× 低いB値を用いる

3.× 1つ目は非選択的パルスで、2つ目で選択的パルスを使う

4.○

5.○

14) 3D 高速SE 法について,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. 再収束パルス角を小さく変更した場合,SAR とSNR は低下する.
2. 再収束パルス角を小さく変更した場合,parallel imaging は併用できない.
3. 再収束パルス角を小さく変更した場合,画像コントラストは変化しない.
4. 再収束パルス角を小さく変更した場合,血管内(血液)信号強度は上昇する.
5. 再収束パルスを非選択的パルスに変更した場合,最短エコー間隔が短くなる.

答えと解説

1.○

2.×

3.× T2緩和が遅れていきPWIのような画像になる

4.× 血液の信号は低下する

5.○

15) 次の記述について,正しい文章をして下さい.(正解3つ)

1. J カップリングは磁場強度に比例する.
2. ケミカルシフト(ppm)は磁場強度に比例する.
3. 自由誘導減衰信号はRF パルスにより発生した横磁化により観測される.
4. 一般にMR 信号はπ/2 位相がずれた実部と虚部から成り立つ複素数データをもつ.
5. 1H のスピン量子数は1/2 で,磁場内に置かれるとエネルギー準位が2つに分かれる.

答えと解説

1.× Jカップリングは磁場強度とは無関係

2.× ppmは不変

3.○

4.○

5.○ ボルツマン分布

16) 次の記述で,正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1. k 空間の座標軸は波数である.
2. SE 法では1つのMRI 信号がk 空間の1行を埋める.
3. 実空間とk 空間は互いにフーリエ変換の関係にある.
4. 実空間の位置(座標)とk 空間の位置は同じである.
5. k 空間を構成する各行のMRI 信号の強弱は周波数エンコード傾斜磁場の強さだけに影響される.

答えと解説

1.○

2.○

3.○

4.× k空間の各点には対象とする実空間の全ての部位からの信号が凝縮されている

5.× 位相エンコード傾斜磁場の強さに影響される

17) 次の記述で,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1. RF コイルの軸は静磁場に平行に配置される.
2. 直角位相受信コイルを使用するとSNR が2倍に上昇する.
3. シンク波の周期が長ければバンド幅も広くなる関係にある.
4. シンク波は同じ振幅のさまざまな周波数の余弦波で構成されている.
5. 特定の周波数だけを均一に励起する必要がある場合,シンク波が使用されることが多い.

答えと解説

1.× コイル軸は静磁場に垂直にする。コイル面だと平行にする

2.× 信号は2倍だが、SNRは√2倍

3.× バンド幅は狭くなる

4.○

5.○

18) 基本条件:TR(繰り返し時間)= 4000ms , TE(エコー収集時間)=100ms , 加算回数=2回 , マトリクス=256×256 , スライス数=10 枚 , スライス厚=10mm , FOV = 300mm , バンド幅=130Hz / pixel , 撮像シーケンスはspin echo 法を使用する.この条件で撮像した時のSNR について,正しい記述を選択して下さい.(正解3つ)

1. スライス厚を20mmに変更したときのSNR は2倍になる.
2. バンド幅を65Hz / pixel に変更したときのSNR は1/2 になる.
3. バンド幅を260Hz / pixel に変更したときのSNR は2倍になる.
4. FOV を150mmに変更したときのSNR は基本条件の1/4 のSN 比になる.
5. FOV を150mmに変更したとき,スライス厚を40mmすると同じSNR になる.

答えと解説

1.○

2.× √2倍

3.× 1/√2倍

4.○

5.○

19) 前立腺癌に関して,正しい文章をして下さい. (正解2つ)

1. 前立腺癌の好発部位は辺縁域である.
2. 前立腺肥大症の好発部位は中心域である.
3. 前立腺癌はT2 強調像で高信号に描出されることが多い.
4. 前立腺癌は拡散強調像で高信号に描出されることが多い.
5. 前立腺癌のproton MR spectroscopy ではコリンのピークが減少し,クエン酸のピークが高くなる.

答えと解説

1.○

2.× 前立腺肥大症の後発部位は移行域

3.× 前立腺癌はT2WIで低信号を呈する

4.○

5.× コリン上昇、クエン酸低下

20) 下図の拡散テンソル画像から得られた説明で,正しい文章をして下さい. (正解2つ)
<写真あり>

1. 図A は異方性拡散強調画像である.
2. 図B はトラクトグラフィーである.
3. 図C は等方性拡散強調画像である.
4. 図D はeigen vector map である.
5. 図E はADC マップである.

答えと解説

写真がないので回答できず

第二部

21) SSFP(steadystatefreeprecession)でのブラックバンドアーチファクトについて,正しい文章を解答して下さい.(正解3つ)

1. 縞の間隔はTRに反比例する.
2. スライス厚を薄くすると軽減できる.
3. 対処法の1つにPhaseCycle法がある.
4. このアーチファクトは,磁場の不均一に起因する.
5. off-resonanceでの磁化の信号強度の上昇が,ブラックバンドを発生する.

答えと解説

1.○

2.× スライス厚は関係ない

3.○

4.○

5.× 信号の低下が引き起こす

22) トランケーションアーチファクトを軽減する正しい方法を選択してください.(正解2つ)

1. TEを短くする.
2. FOVを大きくする.
3. バンド幅を狭くする
4. マトリクス数を減らす.
5. サンプリング時間を長くする.

答えと解説

1.× 関係ない

2.× FOVは小さくする

3.○

4.× マトリクス数は増やす

5.○

23) 医療安全管理ついて,正しい文章を解答して下さい.(正解2つ)

1. MR検査室内への扉は内開きの方が望ましい.
2. 腎機能チェックは造影剤を使用する場合だけでよい.
3. 医療器具の使用について最も遵守するのは添付文書である.
4. 検査中の体内金属を発見した時には直ちに検査を中止して,急いで患者テーブルをガントリ内から引き出す.
5. ハインリッヒの法則では1例の重大事例があると200例のヒヤリハットがあると言われている.

答えと解説

1.× クエンチが起きた時のため外開き、もしくはスライド式が良い

2.○

3.○

4.×

5.× 1例の重大事例があると、29の軽微な事故があり、さらに300のヒヤリハットがある

24) 安全性に関して,正しい文章を解答して下さい.(正解2つ)

1. クエンチで最も危険なのが窒息である.
2. SARはフリップ角に正比例して大きくなる.
3. 受信コイルをマルチ化すると騒音が低下する.
4. dB/dtが大きくなると心臓に刺激を与える可能性がある.
5. 自己シールド方式ではマグネットに近づけば比例して吸引力が増す.

答えと解説

1.○

2.× フリップ角の2乗に比例

3.× 騒音は傾斜磁場によるもの

4.○

5.× 比例ではなく、磁場勾配が急な分、急激に引き寄せられる

26) 脳脊髄液について,正しい文章を解答して下さい.(正解2つ)

1. 脈絡叢で吸収される.
2. くも膜顆粒で産生される.
3. 無色透明な水様な液体である.
4. 脊髄を保護する緩衝材の役割のみを担う.
5. 第四脳室の小孔を通って,くも膜下腔から脊髄に流れる.

答えと解説

1.× 脳脊髄液は脈絡叢から生産されて、くも膜顆粒で吸収される

2.×

3.○

4.× 老廃物の排泄もおこなっている

5.○

27) 化学シフトアーチファクトについて,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1. TEを長くすると目立たなくなる.
2. 化学シフトはスライス選択方向には見られない.
3. 受信バンド幅を大きくすると,化学シフトも大きくなる.
4. 3Tでは化学シフトが7ppmとなるため,1.5Tよりずれが大きくなる.
5. 32KHzの受信バンド幅で256ピクセルの場合,3.0Tの化学シフトは3.6ピクセルである.

答えと解説

1.○

2.× スライス方向にも出るのでSSGRなどの技術で抑制する

3.× バンド幅を大きくすると、化学シフトは小さくなる

4.× ppmは不変 3Tでも3.5ppm

5.○ 1ピクセルあたりのバンド幅は32000(Hz)/256=125(Hz)
3Tでの水と脂肪の周波数差は約447(Hz) 447/125=3.57

28) 脊椎靱帯を構成するものを選択してください.(正解2つ)

1. 前縦靱帯
2. 後縦靱帯
3. 赤色靱帯
4. 後線維束
5. 棘上靱帯

答えと解説

1.○

2.○

3.×

4.×

5.×

29) 心拍数を120/分 , TR=300ms , NEX=2 , 位相エンコード数を256とした場合,位相エンコード方向に現れるゴーストの数はいくつか.(正解1つ)

1. 1つ
2. 2つ
3. 3つ
4. 4つ
5. 5つ

答えと解説

解なし 

ゴースト間隔(pixel数)=(TR×Ny×NEX)/T(motion)
TR:繰り返し時間
Ny:位相エンコード数
NEX:加算回数
T:運動周期

数値を当てはめると、
(0.3×2×256)/0.5=307.2
ゴースト間隔は307.2ピクセル
位相エンコードの数が256なので
256/307.2=0.83となる

よって答えは0

30) MRIの原理について,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1. 脂肪のメチル基は少ないのでMRIには反映されない.
2. MRIのSNRは観測する対象の温度が下がると低下する.
3. 31P-MR画像のケミカルシフトアーチファクトは1Hに比べて大きい.
4. ケミカルシフトアーチファクトの大きさはバンド幅と温度に依存する.
5. EPIのケミカルアーチファクトはスピンエコーに比べバンド幅広いので小さい.

答えと解説

1.× メチン基が少ない、メチル基とメチレン基は多い

2.× 上昇する ボルツマン分布より

3.○

4.× 温度には依存しない

5.○

31) クエンチについて,正しい文章を選択してください.(正解3つ)

1. 永久磁石型MR装置でもクエンチが発生することがある.
2. 緊急減磁装置を作動させると冷媒が気化し,クエンチが発生する.
3. 霧状の雲が天井近くに現れた場合,ヘリウムリークの可能性がある.
4. クエンチとは何らかの理由で超電導状態が保てなくなるため起こる現象である.
5. クエンチが発生した場合,クエンチが完全に治まるのを待ってから患者退避を行う.

答えと解説

1.× クエンチは超電導磁石型MR装置のみの現象

2.○

3.○

4.○

5.× クエンチを起こすと検査室内の酸素がヘリウムガスに置換されるため、呼吸困難の危険性があるため速やかに退避させる

32) スライス厚測定について,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1. ウエッジ法で,2対のウエッジを使用するのは,画像歪みを補正するためである.
2. スライス厚の測定は,2対のウエッジか傾斜板を使用するのが、一般的である.
3. スライス厚に影響を与える因子として,傾斜磁場の不均一,RFパルスの不均一,静磁場の不均一などがあげられる.
4. 基本的にウエッジの角度をαとした場合,スライス厚はスライスプロファイルの微分の半値幅xsin(α)で求められる.
5. ウエッジの撮像は,大きなFOVと少ないマトリクス数で,高いSNRの画像を得る事が重要である.

答えと解説

1.× ファントムの傾きの誤差補正のため

2.○

3.○

4.× 半値幅 x tan(α)

5.× 小さいFOVでマトリクス数を多めにし、1ピクセル=1mm程度にする

33) 磁場について,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1. アクティブシールドタイプの超電導マグネットは漏洩磁場勾配が緩やかである.
2. 立入制限区域とは通常,漏洩磁場が5mT(50ガウス)以上の区域と定義される.
3. 施設外の自動車や電車などの走行によりMR装置にも影響が生じることがある.
4. マグネットによる吸着事故の発生頻度は高いが,重篤な被害は報告されていない.
5. 現在,医療機器許認可を受けて臨床使用されているMR装置の最大静磁場は3.0Tである.

答えと解説

1.× 漏洩磁場勾配は急である

2.× 5ガウスライン(0.5mT)

3.○

4.× 酸素ボンベや車椅子、点滴台が持ち込まれ重篤な被害が報告されている

5.○ 当時は正解だが、現在は7.0Tである

35) 心臓MR検査について,正しい文章を選択してください.(正解3つ)

1. 遅延造影は心筋のバイアビリティーの評価ができる.
2. シネタギング撮像では一般的に心拍出量が評価できる.
3. シネ撮像にはSSFP法を用いると心機能の評価ができる.
4. 造影剤を用いたパーフュージョン撮像は虚血性心疾患が評価できる.
5. Black(Dark)Blood法は心筋信号を無信号にして心筋の性状を評価する.

答えと解説

1.○

2.× 心筋の動きを評価する

3.○ 壁運動と心機能評価

4.○

5.× bb法は血液の信号を無信号にする

37) 性能評価について,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1. 差分法のSNR算出式は,SNR=(S/√2)/Nである.
2. NEMAでは,ファントム温度を、25°±4°に規制している.
3. 撮像TRは,ファントムのT1値/4より小さくする必要がある.
4. 画像均一性の測定は,完全に均一な場合,NEMAでは全均一性は0になる.
5. ParallelMRIでのSNR測定では,空中で雑音を測定するのは望ましくない.

答えと解説

1.× SNR=(S√2)/SD

2.× 22°±4°に規制

3.× SNR評価なのか均一性評価なのか分からないが、どちらにせよ間違え

4.○

5.○ 5定点差分法、差分マップ法が良い

38) 高磁場装置を用いた拡散強調画像について,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1. 静磁場強度が上昇するとADC値は上昇する.
2. 静磁場強度が上昇するとT2およびT2*効果が増大する.
3. 静磁場強度が2倍になると磁化率効果の影響は4倍に増強する.
4. 静磁場強度が上昇するとFractionalAnisotropy(FA)値は上昇する.
5. 静磁場強度が2倍になると拡散テンソル画像(DTI)を撮像する場合のMPGの印加軸は半分にできる

答えと解説

1.×

2.○ 静磁場強度が上がるとT2値は短縮する

3.× 静磁場強度と磁化率効果は比例する

4.× 関係ない

5.○

39) 内耳道内部の神経束を構成するものを選択してください.(正解3つ)

1. 顔面神経
2. 蝸牛神経
3. 外転神経
4. 上前庭神経
5. 三叉神経

答えと解説

1.○

2.○

3.×

4.○

5.×

40) 右図に示す頭蓋内腫瘍プロトンMRS(PRESS法TR/TE=2000/35)の説明について,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用

1. 脂質(Lipid)ピークが高いので組織壊死,炎症を疑う.
2. 乳酸(Lactate)のピークが低いので代謝異常を疑う.
3. クレアチン(Creatine)のピークが高いので腫瘍を疑う.
4. コリン(Choline)のピークが高いので細胞活性の高い腫瘍を疑う.
5. N-アスパラギン酸(NAA)のピークが高いので神経源性の腫瘍などを疑う.

答えと解説

1.○

2.× 乳酸は代謝異常が起こると上昇する

3.× クレアチンは神経細胞・神経膠細胞を問わず全ての細胞に共通した存在であり、エネルギー代謝の指標となる。脳腫瘍においては絶対量が減少することが多い。

4.○

5.× NAAは成人では神経細胞に特異的に存在し、神経細胞の指標として扱われている。NAAの低下はニューロンの消失や軸索損傷を反映し、脳腫瘍や脳虚血等の病態においては、神経細胞の脱落や障害を示唆するNAAの低下が観察される。


いかがでしたか?参考になれば幸いです。

試験勉強は大変ですが、引き続き頑張っていきましょう!

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