MRI過去問

第8回 MR専門技術者認定試験 解答と解説

radio-neko

MR専門技術者認定試験って問題はあっても、解答や解説ないですよね。
そんな貴方のお悩み解決しましょう!!

解答・解説に保証はありませんので、参考程度にお願いします。
また間違いや、ご指摘ありましたらご連絡お願いします。

図や臨床画像に関しては、過去問を参照してください。

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Contents
  1. 第一部
  2. 第二部

第一部

1)MRIで使用するRFパルスについて正しいものを選択してください.(正解3つ)

1.フリップ角は磁気回転比に比例する.
2.フリップ角はRFパルス強度に反比例する.
3.フリップ角はRFパルスの印加時間に反比例する.
4.RFパルスの直接作用は陽子を同位相に歳差運動させることである.
5.フリップ角はRFパルスによる歳差運動の周波数とRFパルスの印加時間の積になる.

答えと解説

1.○ θ= r・B1・t r:磁気回転比 B1:印加強度  t:印加時間

2.×

3.×

4.○

5.○

2)基本条件:TR(繰り返し時間)=3000ms,TE(エコー収集時間)=90ms,加算回数=2回,マトリクス=256×256,スライス数=10枚,スライス厚=10mm.FOV=300mm.BW=130Hz/pixel,撮像シーケンスはSpinEcho法を使用する.
この条件で撮像した時のSNRについて,次の記述で正しいものを選択してください.(正解2つ)

1.加算回数を1回に変更したときのSNRは1/√2倍になる.
2.BWを65Hz/pixelに変更したときのSNRは√2倍になる.
3.スライス厚を5mmに変更したときのSNRは1/√2倍になる.
4.FOVを150mmに変更したときのSNRは基本条件の1/2のSN比になる.
5.FOVを150mmに変更したとき,スライス厚を20mmすると同じSNRになる.

答えと解説

1.○

2.○

3.× 1/2倍

4.× 1/4倍

5.× スライス厚を40mmにするのと同じ

3)Gradient Echo法について正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.静磁場強度が高くなる程,opposed phaseとin-phaseの間隔は小さくなる.
2.T1強調像を撮像する際は,SNRが最大となるFA(flip angle):90°が望ましい.
3.造影を行う場合は,造影効果を考慮しTEは可能な限り最短を用いるのが望ましい.
4.バランスドSSFPではダミーパルスの印加方法,印加数により画像コントラストが変化する.
5.コントラストはFAにより変化し,30°以下の小さいFAを用いることで,T2強調像を取得することができる.

答えと解説

1.○

2.× エルンスト角が望ましい

3.× paradoxial supressionに注意

4.○

5.× T2*WIを取得することができる

4)次の記述について正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.RFの波長は磁場強度に比例する.
2.磁化率効果は磁場強度に比例する.
3.力学的作用の内,トルクは磁場強度の2乗に比例する.
4.ppmで表す化学シフトは磁場強度が増大すると大きくなる.
5.磁場強度が高くなると縦緩和時間および横緩和時間が長くなる.

答えと解説

1.× 反比例する

2.○

3.○ トルクとSARは磁場強度の2乗

4.× ppmは不変

5.× 縦緩和時間は延長し、横緩和時間は関係しない

5)還流MRIの記述について正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.Gd造影剤を用いた場合ではT1短縮を無視できるシーケンスを用いる.
2.ASL(arterial spin labeling)法はCBV(Cerebral Blood Volume)が算出できる.
3.ASL(arterial spin labeling)法は領域選択的傾斜磁場を用い脳血流量の評価ができる.
4.脳血流量(rCBF)は脳血液量(rCBV)と平均通過時間(MTT)から次式で求めることができる.rCBF=rCBV/MTT
5.ASL法で血管内のスピンを反転(ラベル)してから撮影までのdelay時間(TI)は1.5Tでは1.5秒程度,3.0Tでは3秒程度が標準的である.

答えと解説

1.○

2.× ASLはCBFがわかる

3.× 領域選択的傾斜磁場→領域選択的高周波磁場

4.○

5.× 磁場強度とdelay時間は関係ない

6)前立腺MR検査について正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.前立腺がんは一般的にT2強調画像で高信号を呈する.
2.前立腺がんのMRSは乳酸とコリン(Choline)で評価する.
3.前立腺がんはADCマップでの見かけ上の拡散係数は低値となる.
4.前立腺がんは拡散強調画像でT2-Shine throughの影響を受け難い.
5.前立腺がんは拡散強調画像で高信号に描出する場合、b値は小さく設定する.

答えと解説

1.× 前立腺癌はT2WIで低信号を呈する

2.× コリンとクエン酸で評価する

3.○

4.○

5.× 高いb値に設定する

7)心臓MR検査で正しい説明を選択してください.(正解2つ)

1.Gd造影剤を用いたPerfusion撮像は正常心筋内に造影剤は灌流しない.
2.一般的に心筋壁局所運動の評価する場合はシネタギング撮像法を用いる.
3.遅延造影法では正常心筋の信号強度が無信号になる反転時間の測定が必要である.
4.正常心筋内細胞間質にGd造影剤が漏出されるのを観察するのが遅延造影法である.
5.Whole Heart Coronary撮像の呼吸同期には一般的にStimulated Echo同期法を用いる.

答えと解説

1.× 正常心筋に還流し、梗塞巣には還流が遅い

2.○

3.○

4.× 病変部位にGd造影剤が漏出されるのを観察する

5.×

8)拡散テンソル画像について正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.灰白質のFA値は大きく脳脊髄液では0に近くなる.
2.拡散テンソル画像は,最低3方向からのMPGパルスが必要である.
3.拡散テンソル画像は,脳や脊髄の神経線維,髄鞘の方向性や規制する強度を画像化する方法である.
4.FAマップ表示の基本的なコントラストは,白質は高信号,灰白質は中等度から低信号,脳脊髄液は低信号となる.
5.FA(fractional anisotropy)値は,神経線維に富む大脳白質で小さく,なかでも脳梁や錐体路は,神経線維方向が揃っているためFA値は小さい.

答えと解説

1.× 白質が大きく、灰白質が小さく、脳脊髄液は0となる

2.× 最低6方向から必要

3.○

4.○

5.× FA値は,神経線維に富む大脳白質で大きく,なかでも脳梁や錐体路は,神経線維方向が揃っているためFA値は大きい

9)次に示す頭蓋内腫瘍プロトンMRS(PRESS法 TR/TE=2000/35)の説明について正しいものを選択してください.(正解3つ)

1.アラニン(Alanin)のピークが確認できるので髄膜腫を疑う.
2.クレアチン(Creatine)のピークが大きいので悪性腫瘍を疑う.
3.コリン(Choline)のピークが大きいので細胞活性の高い疾患を疑う.
4.乳酸(Lactate)のピークが確認できるので代謝異常や悪性腫瘍を疑う.
5.N-アセチルアスパラギン酸(NAA)のピークが確認できるため神経細胞由来の腫瘍などを疑う.

答えと解説

1.○

2.× Crは病気の進行による変化は少ない

3.○

4.○

5.× NAAは成人では神経細胞に特異的に存在し、神経細胞の指標として扱われている。NAAの低下はニューロンの消失や軸索損傷を反映し、脳腫瘍や脳虚血等の病態においては、神経細胞の脱落や障害を示唆するNAAの低下が観察される。

10)次の記述について正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.スピンエコー法の180度パルスは横磁化成分のみを反転させる.
2.スティミュレーテッドエコーを得るには4つのRFが必要である.
3.グラディエントエコー法の信号強度はピクセルサイズに影響を受ける.
4.同じ形状のRFの場合,印加時間を短縮すると励起周波数帯域は広がる.
5.FOVが一定の場合,リードアウト傾斜磁場強度の強いほうがSNRは高い.

答えと解説

1.× 縦磁化も横磁化も反転させる

2.× 3つのRFが必要

3.○

4.○

5.× FOV=BW/傾斜磁場 なのでFOV一定で傾斜磁場を強くすると、BWを広くしないといけない。BWが広がるとSNRは低下する

11)次の記述について正しい文章を選択してください.(正解3つ)

1.神経鞘腫は造影効果が低い.
2.膠芽腫は造影T1強調画像でdural tail signが特徴的である.
3.髄膜炎の造影T1強調画像では脳表髄膜に造影効果が認められる.
4.下垂体微小腺腫は早期造影T1強調画像で正常下垂体よりも造影効果は低い.
5.Creutzfeldt-Jakob病(クロイツフェルト・ヤコブ病)では拡散強調画像で大脳皮質が高信号な場合がある.

答えと解説

1.× 神経鞘腫は造影効果が高い

2.× dural tail signは髄膜腫に特徴的

3.○

4.○ 大腺腫は正常下垂体よりやや高い造影効果

5.○

12)次の記述について正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.radial scanは,k空間における軌跡が放射状であり,3D高速撮像で利用できない.
2.3D高速SE法において,再収束パルス角を小さく変更しても画像コントラストは変化しない.
3.3D高速SE法において,再収束パルス角を小さく変更した場合,血管内(血液)信号強度は低下する.
4.spiral scanとSSFPシーケンスと組み合わせることで更にSNRが向上し,現在心臓MRIで頻用されている.
5.spiral scanは,k空間における軌跡がスパイラル(渦巻き)であり,parallel imagingを併用することでさらに高速撮像化できる.

答えと解説

1.× 3D高速撮像で利用している(PhilipsのTHRIVE)

2.× FAを変えることでT1,T2,heavyT2,PDなどの様々なコントラストが得られる

3.○

4.×

5.○

13)心臓MRIについて正しい文章を選択してください.(正解1つ)

1.PerfusionMRIには,ガドリニウム造影剤をボーラス注入し,ファーストパスによるT2*信号減衰効果を利用する.
2.Coronary MR Angiographyでは,通常SSFPシークエンスに脂肪抑制やT2prepを併用することで明瞭に描出できる.
3.心筋タギング法は,スライス内の磁化を空間的に変調させる非選択的励起パルス(SPAMMパルス)を用いてシネ撮像を行う.
4.Late Gadolinium enhancement MRIに用いられるphase-sensitive inversion recovery(PSIR)法は,IR法よりも短時間に3D撮像が可能である.
5.心電図同期法には,プロスペクティブ同期法とレトロスペクティブ同期法があり,フラッシュアーチファクトが発生するのは,レトロスペクティブ同期法である.

答えと解説

1.× T1短縮による信号上昇を利用する

2.×

3.○

4.× PSIRは時間がかかる

5.× フラッシュアーチファクトはプロスペクティブ同期のみで発生する

14)3D高速SE法について正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.再収束パルス角を小さく変更した場合,SARとSNRは低下する.
2.再収束パルス角を小さく変更した場合,画像コントラストは変化しない.
3.再収束パルス角を小さく変更した場合,parallel imagingは併用できない.
4.再収束パルス角を小さく変更した場合,血管内(血液)信号強度は上昇する.
5.再収束パルスを非選択的パルスに変更した場合,最短エコー間隔が短くなる.

答えと解説

1.○

2.× 再収束パルス角を小さくすると信号、コントラスト、SARは小さくなり、血管内信号は低下する

3.× 併用できる

4.×

5.○

15)Inversion recovery法を用いた場合,時間TIにおけるMzについて正しい式を選択してください.(正解1つ)ただし、M0:磁化,T1:組織のT1緩和時間,TR:inversion pulseの印加する間隔

1.Mz(TI)=M0-M0・exp(-TI/T1)
2.Mz(TI)=M0-2M0・exp(-TI/T1)
3.Mz(TI)=M0-2M0・exp(-TI/T1)+M0・exp(-TR/T1)
4.Mz(TI)=M0-M0・exp(-TI/T1)+2M0・exp(-TR/T1)
5.Mz(TI)=M0-2M0・exp(-TI/T1)+2M0・exp(-TR/T1)

答えと解説

1.×

2.○

3.×

4.×

5.×

TIが0の時(inversion pulseを印加直後)、縦磁化は180°下を向くはずなので、TIに0を代入してMz(0)=-M0になる式を探す。

16)脳の拡散強調像(b=1000)において脳実質より高信号を示すことが多い疾患を選択してください.(正解2つ)

1.髄芽腫
2.脈絡叢嚢胞
3.クモ膜嚢胞
4.海綿状血管腫
5.慢性期脳梗塞

答えと解説

1.○

2.○

3.× 低信号 類表皮のう胞はDWIで高信号

4.× 低信号

5.× 急性期脳梗塞は高信号

17)下垂体のMRIで正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.T1,T2強調像でラトケ嚢胞は脳脊髄液とほぼ同様の信号強度を示す.
2.ダイナミック造影は正常部より疾患部が早期濃染することを利用する.
3.T1強調像の下垂体後葉の信号が消失する疾患として中枢性尿崩症がある.
4.成人の正常下垂体の大きさは年齢性別に関係なくほぼ一定での大きさである.
5.T1強調像矢状面で周波数エンコードを前後方向にするのは下垂体後葉と斜台の脂肪の重なりを避けるためである.

答えと解説

1.× ラトケ嚢胞はT1WIで高信号、T2WIで低信号、増強効果なし

2.× 正常より遅れて濃染

3.○

4.× 下垂体の形や大きさ、信号のバリエーションは広く、一般にホルモン分泌が盛んな時期、新生児期、思春期から青年期、妊娠、産褥期には正常でも著名に腫大することがある。

5.○ 周波数エンコードを上下にするとケミカルシフトの影響で脂肪が上方にシフトして下垂体の一部と重なる。なので周波数エンコードを前後にすることで全体像が描出される

18)ガドキセト酸ナトリウム注射液(EOB・プリモビスト)について正しい記述を選択してください.(正解2つ)

1.臨床における通常投与量は0.1mmol/kgである.
2.血漿中のR1は,Gd-DTPA造影剤の約1/2倍である.
3.健常人の場合,造影剤の約4割は糞中から排泄される.
4.投与後1分程度より肝臓の細網内皮系細胞に取り込まれはじめる.
5.NSF(腎性全身性線維症)に対してGd-DTPA造影剤と同様の取扱いを行う必要がある.

答えと解説

1.× 0.025mmol/kg もしくは0.1ml/kg

2.× 1.5〜1.6倍くらいになる

3.○

4.× 肝細胞に取り込まれる

5.○

19)図は右前頭葉部の脳出血の単純MRI画像である.正しい文章を選択してください.<写真あり> (正解2つ)

1.出血後,1週間以内と考えられる.
2.血液の性状は主にオキシヘモグロビンである.
3.本画像より1週間後のT1強調像において信号変化はほとんどない.
4.本画像より1週間後のT2強調像において信号変化はほとんどない.
5.T1強調画像の疾患部の高信号はメトヘモグロビンによるものである.

答えと解説

写真がないため解答できず

20)卵巣腫瘍のMRIについて正しい記述を選択してください.(正解2つ)

1.卵巣癌の充実性部分はT2強調像で高信号を示す.
2.漿液性嚢胞腺腫は拡散強調像(b=1000)で低信号を示す.
3.成熟嚢胞性奇形腫は脂肪を含むのでT1強調像で高信号を示す.
4.内膜症性嚢胞は高蛋白含有の液体を含むのでT1強調像で高信号を示す.
5.粘液性嚢胞腺腫は粘調度によりT2強調像で低~高信号の多様な信号形態を示す.

答えと解説

1.× 低信号を示す

2.○

3.○

4.× 内膜症性嚢胞は血液を含む

5.×

第二部

21)最新のJIS Z 4951:2012で規定されているSAR(比吸収率)について,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.SAR上限値は15分間の一定時間で平均化された値である.
2.第一次水準管理操作モードの全身SAR上限値は、4W/kgである.
3.RF送信コイル内に使用しないコイルがあってもコネクタは接続しておく.
4.全身SARの上限値は、環境温度が22℃以下であることを前提としている.
5.局所SARとは,一定時間に任意の身体組織1gにわたって平均化したSARのことである.

答えと解説

1.× 6分間

2.○

3.○ 接続してないコイルが壊れることがある

4.× 環境温度が25℃以下であることが前提

5.× 10gにわたって平均化したSAR

22)保守・点検作業について,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.始業前または終業時に点検作業を行う必要がある.
2.MR装置は特定保守管理医療機器に指定されている.
3.部品の交換時期は一定であり使用状況には関係しない.
4.MR検査室や機械室の温度や湿度はMR装置の性能や安全性には関係しない.
5.医療機器添付文書には警告,禁忌・禁止の他,保守点検に関する事項の記載がある.

答えと解説

1.× 始業前と終業時の両方で必要

2.○

3.×

4.× 温度が高いとクエンチの危険性がある

5.○

24)MRIの画像評価に関して正しい文章を選択してください(正解3つ)

1.基本的にSNRとCNRは相関する.
2.CNRはファントム温度に依存する.
3.CNRは空間分解能の評価が可能である.
4.差分法のSNRは信号強度×√2/標準偏差である.
5.パラレルイメージングでSNRを測定する時は、空中雑音法でなく、空中信号法を使用する.

答えと解説

1.○

2.○

3.× コントラストの評価

4.○

5.× 5定点差分法、差分マップ法を用いる

26)Gradientecho(GRE)シーケンスについて正しい記述を選択してください.(正解3つ)

1.balanced SSFPの信号強度はT1/T2にほぼ比例するのでhydrographyに適する.
2.3個のαパルスを異なった間隔で印加すると3個のFIDと5個のエコーが形成される.
3.第2の化学シフトによると1.5Tの磁場においてTE=4.5ms,9msであれば水と脂質中のプロトンは逆位相になる.
4.balanced steady–state free precession(balanced SSFP)では3(X Y Z)方向の流速補償が成り立ち,流入効果とともに血管内が高信号になる.
5.第2の化学シフトアーチファクトは,周波数あるいは位相エンコード方向とは関係ないので,どの方向にも現れ筋肉や腸管全体を取り巻くように描かれる.

答えと解説

1.× T2/T1に比例

2.○

3.× 同位相になる

4.○

5.○

27)balanced SSFPについて正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.balanced SSFPの画像コントラストは√T1/√T2*である.
2.TR<<T2でTE=TR/2に設定するのは,各エコーの位相を合わせるためである.
3.TRとTEが短いと,resonance offset angleによるbanding artifactが出やすくなる.
4.同一断面を連続で撮像する場合のsaturation効果を防止するためには,TRを延長する必要がある.
5.linearオーダーに対しcentricオーダーの画像は,定常状態移行期の画像コントラストになりやすい.

答えと解説

1.× T2/T1に比例

2.○

3.× banding artifactは1/TRに比例するので、TRが短い方が低減する

4.×

5.○

28)通常みられる血管の分岐について正しい文章を選択してください.(正解3つ)

1.下副腎動脈は腎動脈から分岐する.
2.眼動脈は前大脳動脈から分岐する.
3.右総頚動脈は腕頭動脈から分岐する.
4.右椎骨動脈は大動脈弓から分岐する.
5.左椎骨動脈は左鎖骨下動脈から分岐する.

答えと解説

1.○

2.× 内頸動脈から分岐

3.○

4.× 右鎖骨下動脈から分岐

5.○

29)SSFP(steady state free precession)でのブラックバンドアーチファクトについて正しい文章を選択してください.(正解3つ)

1.縞の間隔はTRに反比例する.
2.スライス厚を薄くすると軽減できる.
3.対処法の1つにPhase Cycle法がある.
4.このアーチファクトは,磁場の不均一に起因する.
5.off-resonanceでの磁化の信号強度の上昇が、ブラックバンドを発生する.

答えと解説

1.○

2.× スライス厚は関係ない

3.○

4.○

5.× 信号強度の低下がブラックバンドを引き起こす

30)FLASH bandに関して正しい文章を選択してください.(正解3つ)

1.T1強調像で出現しやすい
2.T1の短い組織で顕著に出現する
3.位相エンコード方向に平行に出現する
4.励起パルスのフリップ角が大きいほど出現する
5.一般的にはcentric orderに比べてsequential orderで出現しやすい

答えと解説

1.○

2.×

3.× 周波数エンコード方向に平行に出る

4.○

5.○

FAが大きいほど、T2値が長いほど、sequential orderで出やすい。つまりT1WIはFAが大きくないといけないのでT2WIよりも出やすい

31)EPIでのアーチファクトについて,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に出現する.
2.磁化率アーチファクトは位相エンコード方向がめだちやすい.
3.折り返しアーチファクトは、周波数エンコード方向に出現する.
4.T2フィルタリングによる解像特性の劣化は位相エンコード方向に出現する.
5.N/2アーチファクトは周波数エンコード方向にFOVの半分だけ位置ずれする.

答えと解説

1.○

2.○

3.× 位相エンコード方向で出やすい

4.×

5.× 位相エンコード方向に出る

32)次の安全性に関わる文章で,正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.条件付MR対応ペースメーカは除細動付にも対応している.
2.条件付MR対応ペースメーカは1.5T装置以下で検査可能である.
3.条件付MR対応ペースメーカでは仰臥位と腹臥位で検査が可能である.
4.条件付MR対応ペースメーカの本体は胸郭に埋められていることに限る.
5.ペースメーカの装置本体が身体から除去されていればMR検査が可能である.

答えと解説

1.○

2.× 添付文書により異なる

3.× 添付文書により異なる

4.○

5.× リードの発熱も問題になるので、リードも除去する必要がある

33)次のSAR(比吸収率)に関わる文章について正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.SARはフリップ角に正比例して大きくなる.
2.大きな被写体で電気伝導率が低い組織ほどSARが大きい.
3.デューティサイクルはスライス数とRFパルス時間に比例する.
4.火傷を防ぐためにあらかじめ濡れたタオルを膝の間に挟んでおく.
5.QD送信コイルはリニア型コイルに比べてSARを約1/2にできる.

答えと解説

1.× フリップ角の2乗に比例

2.× 電気伝導率の高い組織ほどSARが大きい

3.○

4.× 乾いたタオルが良い

5.○

34)女性生殖器について正しい文章を選択してください.(正解は3つ)

1.内膜症性嚢胞はチョコレート嚢胞とも呼ばれる.
2.子宮体部は子宮内膜・筋層・漿膜の三層からなる.
3.子宮体癌はヒトパピローマウイルス感染が主原因である.
4.子宮は下方1/3の子宮頸部と上方2/3の子宮体部に区別される.
5.子宮内膜直下筋層や子宮内膜は小児や閉経後女性においても容易に描出できる.

答えと解説

1.○ タール嚢胞とも呼ばれる

2.○

3.× 子宮頸癌がヒトパピローマウイルス感染が主原因

4.○

5.× 困難

35)前立腺について正しい文章を選択してください.(正解は3つ)

1.中央を尿道が貫いている.
2.背部より射精管が合流する.
3.前立腺がんのマーカーはCEAである.
4.McNealによると解剖学的に4つの部位に分かれる.
5.前立腺肥大症はエストロゲンの増加が主原因とされる.

答えと解説

1.○

2.○

3.× PSA

4.○

5.× エストロゲンの低下が主原因

36)T1強調像で高信号のメカニズムである表面効果(surface effect)の例について正しいものを選択してください.(正解は2つ)

1.脂肪組織
2.亜急性血腫
3.淡い石灰化
4.半月板の断裂面
5.粘稠な蛋白質溶液

答えと解説

1.× 脂肪のT1値、T2値が短いため

2.× メトヘモグロビンの影響

3.○

4.○

5.× 高分子水和効果

37)クエンチに関して正しい文章を選択してください.(正解2つ)

1.ヘリウムガスは床付近にたまる.
2.ヘリウムガスは毒性があるため注意が必要である.
3.精度管理のため定期的にクエンチを行なうことが必要である.
4.ヘリウムガスが漏れ大気中の酸素濃度が16%以下になると呼吸困難となる.
5.クエンチは液体ヘリウムに浸した磁石の線材が過度に熱せられることによって発生する.

答えと解説

1.× 天井にたまる

2.× 毒性はないが酸欠に注意

3.×

4.○ 検査室内は常に酸素濃度が18%以上になるようにする

5.○

38)心拍数を120/分,TR=300ms,NEX=2,位相エンコード数を256とした場合、位相エンコード方向に現れるゴーストの数はいくつか.(正解1つ)

1.1つ
2.2つ
3.3つ
4.4つ
5.5つ

答えと解説

解なし 

ゴースト間隔(pixel数)=(TR×Ny×NEX)/T(motion)
TR:繰り返し時間
Ny:位相エンコード数
NEX:加算回数
T:運動周期

数値を当てはめると、
(0.3×2×256)/0.5=307.2
ゴースト間隔は307.2ピクセル
位相エンコードの数が256なので
256/307.2=0.83となる

よって答えは0

39)下図に対し正しいものを選択してください.(正解3つ)<写真あり>

1.烏口突起
2.棘上筋腱
3.肩峰
4.関節窩
5.関節唇

答えと解説

図がないため解答できず

40) 下記①~⑥のMRに関する学術研究を行う場合、当該施設の倫理委員会の承認を得なければならない研究の組み合わせについて選択してください.

①  動物を使って実験を行う場合
②  ボランティアを用いてMR 画像のデータを取得する場合
③  当該施設の過去の臨床データを匿名化して評価を行う場合
④  撮像条件について無作為に選んだ施設にアンケート調査をする場合
⑤  ファントム実験データを用いて観察者実験(例:ROC)を行う場合
⑥  患者に対して撮像条件の比較検討のために追加のMR撮像を行う場合

答えと解説

①、②、③、⑥

アンケートやファントム実験データは倫理委員会の承認がいらない気がします。
解答に自信はありません


いかがでしたか?参考になれば幸いです。

試験勉強は大変ですが、引き続き頑張っていきましょう!

他の過去問の解答と解説はこちらへ

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放射線技師ブロガー
都内の病院で診療放射線技師として活動するラジブログがお届けする『MRI』に特化した情報ブログ

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