MRI過去問

第12回 MR専門技術者認定試験 解答と解説

radio-neko

MR専門技術者認定試験って問題はあっても、解答や解説ないですよね。
そんな貴方のお悩み解決しましょう!!

解答・解説に保証はありませんので、参考程度にお願いします。
また間違いや、ご指摘ありましたらご連絡お願いします。

図や臨床画像に関しては、過去問を参照してください。

他の過去問の解答と解説はこちらへ

Contents
  1. 第一部
  2. 第二部

第一部

1)NMR で用いられる核種を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.2H
2.4He
3.12C
4.28Si
5.59Co

答えと解説

1.○

2.× 3He

3.× 13C

4.× 29Si

5.○

2)1T(テスラ)は何ガウスになるか選択して下さい。(正解 1 つ)

1.10
2.100
3.1,000
4.10,000
5.100,000

答えと解説

1.×

2.×

3.×

4.○

5.×

3)MRS ピークについて正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.プロトン密度が高いほど、高くなる。
2.横緩和時間が短いほど、幅は広くなる。
3.シミング精度が高まると、幅は広くなる。
4.静磁場強度が高いほど、分離精度は悪くなる。
5.ケミカルシフト(ppm)の値が低いほど、スペクトルの左側に出現する。

答えと解説

1.○

2.○

3.× シミング精度が良くなると幅が狭くなる

4.× 静磁場強度が高いほど、分離精度は良くなる

5.× 左側の方が共鳴周波数は高い

4)NEMA の画像均一性評価法について正しい文章を選択して下さい。(正解2つ)

1.スライス厚は 10 mm以上にする。
2.均一度は 100×(Smax-Smin)/(Smax+Smin)で算出する。
3.画像のマトリクスサイズは 128×128 以上が推奨されている。
4.表面コイルを使用する際は適正な感度補正処理を必ず施行する。
5.NAAD(normalized absolute average deviation)は絶対偏差から均一性を評価する方法であり、ノイズの影響を受けにくい。

答えと解説

1.× 10mm以下にする

2.× 不均一度の式

3.○

4.× 均一性評価とSNR評価は表面コイルは使用できない。感度補正はしない

5.○

5)NEMA の歪みの性能評価法で正しい文章を選択して下さい。(正解2つ)

1.スライス厚は 10mm 以下とする。
2.歪率の許容範囲は±10%である。
3.EPI の測定時は周りを水溶液に浸す。
4.測定値と実寸の誤差割合を算出し、平均誤差を歪とする。
5.測定ファントムは、リング、穴、ピンなど、保証範囲の境界を定義できる構造物とする。

答えと解説

1.○

2.× 歪率の許容範囲は±5%

3.×

4.× 測定値と実寸の誤差割合を算出し、最大誤差を歪とする。

5.○

6)同じ FOV でマトリクス数を 512×512 から 256×256 に変更して、受信バンド幅を 1/2 とした場合、SNR は何倍になるか選択して下さい。(正解 1 つ)

1.4倍
2.8倍
3.4×√2倍
4.4/√2倍
5.2/√2倍

答えと解説

答えは1の4倍

ピクセルサイズは2×2で4倍、位相エンコードは半分で1/√2倍になる
バンド幅が半分になり√2倍、よって4倍になる

7)MRI の画像評価について正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.基本的に SNR と CNR は相関する。
2.CNR はファントム温度に依存する。
3.CNR は空間分解能の評価が可能である。
4.差分法の SNR は信号強度×√2/ 標準偏差である。
5.パラレルイメージングで SNR を測定する時は、空中雑音法でなく、空中信号法を使用する。

答えと解説

1.○

2.○

3.× コントラストの評価

4.○

5.× 5定点差分法、差分マップ法を用いる

8)IEC62464-1:2007 に示される MRI の空間分解能評価について正しい文章を選択して下さい。(正解 1 つ)

1.ファントムの角度は 30~45 度が望ましい。
2.スリット法による MTF 測定が最も精度が高い。
3.エッジを利用した濃度曲線を微分して PSF を作成する。
4.周期的に並べたファントム画像の ROI 内の SD から算出する。
5.測定法は AAD(absolute average deviation)法が有効である。

答えと解説

1.× 10〜15度が望ましい

2.×

3.○

4.× 平均値とSD値から算出

5.×均一性の時にAADを使う

9)スピンエコー法と比較した場合、高速スピンエコー法の特徴を選択して下さい。 (正解 3 つ)

1.脂肪が高信号になる。
2.磁化率効果を受けにくい。
3.軟部組織のコントラストが低下する。
4.撮像可能マルチスライス数が増加する。
5.T2 フィルタリングにより T2 値の短い組織が強調される。

答えと解説

1.○ MT効果とJカップリングにより高信号

2.○

3.○ MT効果とTE平均化でコントラストが低下する

4.× 減少する

5.× T2フィルタリングによりT2値の長い組織が強調

10)グラディエントエコー法(GRE)について正しい文章を選択して下さい。
(正解 3 つ)。

1.Ernst angle は T1 値と TR から求まる。
2.DESS(dual echo in the steady state) は動きに強い。
3.Balanced SSFP 法の信号強度は T1 値/ T2 値に比例する。
4.スポイルド GRE は残留横磁化の影響を無視することができる。
5.TR を短縮すると SSFP(steady-state free precession) になる。

答えと解説

1.○ エルンスト角=exp(-TR/T1)

2.× DESSやCISSは動きに弱い。Balanced SSFPは動きに強い

3.× T2/T1に比例する

4.○

5.○

11)MR 血管撮像(MRA)について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.Gd 造影剤投与後に撮像すると血管の描出能が向上する。
2.TOF 法に MT パルスを印可すると流れの速い血管の描出能が向上する。
3.PC 法の VENC(velocity encoding) 値を大きくすると流れの遅い血管の描出能が向上する。
4.脳血流の低下が予想される場合、TOF 法においては TE を延長することで血管の描出能が向上する。
5.TONE(tilted optimized non-saturating excitation)法は異なる励起フリップ角を用いて飽和効果を減少させることができる。

答えと解説

1.○

2.× 流れの遅い血管の描出能が向上する

3.× VENC値を大きくすると流れの速い血管の描出能が向上する

4.× TRを延長することで血管の描出能が向上する

5.○

12)TR 3000 ms、TE 80ms、ETL 64、NEX 1、Nx 256、Ny 192、Nz 32 に設定した 3 次 元高速スピンエコー法の撮像時間を選択して下さい。(正解 1 つ)

1.288秒
2.384秒
3.576秒
4.768秒
5.2,304 秒

答えと解説

答えは1の288秒

3次元の撮像時間=(TR×NEX×Ny×NZ)/ETL

13)比吸収率(specific absorption rate)について正しい文章を選択して下さい。 (正解 3 つ)

1.単位は W/min で表される。
2.静磁場強度の 2 乗に比例する。
3.フリップ角の 2 乗に比例する。
4.Duty cycle の 2 乗に比例する。
5.水分含有量の少ない組織(脂肪、骨髄)は水分含有量の多い組織(血液、脳脊髄液)より小さくなる。

答えと解説

SAR ∝(σr²B₀²α²D)/p
σ(電気伝導率) r(半径) B₀(静磁場強度) α(フリップ角) D(デューティサイクル) p(比重)

1.× W/kg

2.○

3.○

4.× Duty cycleに比例

5.○

14)B1+rms の低減方法について正しい文章を選択して下さい。(正解 1 つ)

1.エコー時間を短くする。
2.受信バンド幅を狭くする。
3.繰り返し時間を短くする。
4.ピクセルサイズを小さくする。
5.エコートレイン数を少なくする。

答えと解説

1.×

2.×

3.×

4.×

5.○

※SARの低減方法と同じ考えです。
・TRを長くする
・ETLを下げる
・スライス枚数を減らす
・フリップ角を下げる
・パラレルイメージングを使用する

15)EPI 法による拡散強調像について正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.b 値の単位は sec/mm3 で表される。
2.縦緩和の影響を排除するため TR を長く設定する。
3.歪み対策として周波数方向のマトリクス数を少なくする。
4.位相エンコードステップ数の低下はアーチファクトの発生や SNR の低下を引き起こす。
5.空間分解能を維持して位相エンコード数を減らす方法として、パラレルイメージング・half scan・長方形 FOV がある。

答えと解説

1.× sec/mm2

2.○

3.○

4.× 歪みに位相エンコードは関係ない

5.○

16)1H-MRS について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.NAA は正常ニューロンの指標である。
2.コリン(Cho) は悪性腫瘍で上昇する。
3.乳酸(lactate)は虚血領域で低下する。
4.脂質(lipid)は放射線壊死領域で低下する。
5.Cho/NAA(N-acetyl-aspartate)は悪性度診断に有用である。

答えと解説

1.○

2.○

3.× 虚血領域で上昇する

4.× 放射線壊死領域で上昇する

5.× Cho/NAA(N-acetyl-aspartate)は腫瘍浸潤の指標、Myo/Crは悪性病変の指標

17)シングルショット高速スピンエコー法を用いた T2 強調像においてブラーリングを低減する方法を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.TE を長くする。
2.長方形 FOV を使用する。
3.パラレルイメージングを使用する。
4.オーバーサンプリング法を使用する。
5.プリサチュレーションパルスを使用する。

答えと解説

1.×

2.○

3.○

4.×

5.×

k-space内の信号強度差が生じることでブラーリングが起こる。
信号差を少なくするようなパラメータ設定で対策をする
・エコー数を減らす→ハーフフーリエ、パラレルイメージングなど
・エコー間隔を狭くする→バンド幅を広げる

18)H-MRS の特徴について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.STEAM 法はスピンエコー信号を計測している。
2.PRESS 法は STEAM 法に比べて信号雑音比が良い。
3.PRESS 法は T2 値の短い代謝物質の計測に適している。
4.長い TE による計測でなければ評価が難しい代謝物として mIns, Glx, GABA 等 がある。
5.Chemical shift imaging(CSI)法は各代謝物の代謝画像(metabolic image)を 作成できる。

答えと解説

1.× stimulated echoを計測

2.○

3.× STEAM法がT2値の短い代謝物質の計測に適している

4.× 短いTEによる計測でなければ評価が難しい代謝物として mIns, Glx, GABA 等 がある。

5.○PRESS法:chess-90°-180°-180°とchessの後180°パルスを2回使用するため感度がSTEAM法の2倍あり、double spine echo法とも呼ばれている。180°パルスを使用しているのでスライス選択ではSTEAM法の方が正確

STEAM法:chess-90°-90°-90°とchessの後90°パルスを3回使用して、stimulated echoを測定。感度はPRESSの1/2だがTEを短くできるのでshort-T2の代謝物測定に向いている。スライス選択が良好で、内部信号強度が均一でSNRの良好なshort-TEでの測定に使用

19)高速イメージング技術について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.スパイラルスキャンの信号取得 k 空間座標は極座標系である。
2.圧縮センシングは収集データから少数サンプリングによって画像を圧縮する方法である。
3.SENSE(sensitivity encoding)法を用いた場合、SNR は用いない場合の √R(reduction factor)倍となる。
4.Parallel imaging は k 空間を間引いて信号を取得し、複数コイルの空間的な感度差を利用して画像を作成する。
5.SMASH(simultaneous acquisition of spatial harmonics)法はフーリエ変換後に折り返しを展開する方法である。

答えと解説

1.○

2.× 少数サンプリングから全データによる画像と同様の画像を作成する方法

3.× SNRSENSE=SNRFULL/g√R

4.○

5.× SENSE法はフーリエ変換後に折り返しを展開する方法である。

20)図中の矢印が示すアーチファクトについて正しい文章を選択して下さい。 (正解 3 つ)

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用

1.位相方向のみに発生する。
2.FOV を広くすると防ぐことができる。
3.オーバーサンプリングを用いると防ぐことができる。
4.プレサチュレーションパルスを用いると防ぐことができる。
5.サンプリング間隔が標本化する周期の半分より小さい場合に発生する。

答えと解説

1.× 周波数方向にも発生している

2.○

3.○

4.○

5.× サンプリング間隔が標本化する周期の半分より大きい場合に発生

21)EPI 型 DWI の歪みに強く影響を与えるパラメータを選択して下さい。
(正解 3 つ)

1.FOV
2.b-value
3.ショット数
4.位相マトリクスサイズ
5.パラレルイメージングのリダクションファクタ

答えと解説

1.○

2.×

3.○

4.× 位相マトリクスとTEは歪みに関係しない

5.○

22)図は gradient echo 型 T1 強調像である。図中の矢印が示すアーチファクトについて正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.画像上の左右方向が周波数方向である。
2.B は A より撮像時間が短いと考えられる。
3.アーチファクトの間隔は心拍数が高いほど狭くなる。
4.プレサチュレーションパルスを用いると防ぐことができる。
5.アーチファクトの間隔は位相エンコードステップ数に依存する。

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用
答えと解説

1.○ 位相方向にフローのアーチファクトが出るので、左右が周波数方向

2.× TRが長い法がゴーストの間隔は大きくなる。よってBの方が撮像時間が長い。

3.× アーチファクトの間隔は心拍数が高いほど広くなる。

4.○

5.○

ゴースト間隔(pixel数)=(TR×Ny×NEX)/T(motion)
TR:繰り返し時間
Ny:位相エンコード数
NEX:加算回数
T:運動周期

23)磁化率アーチファクトについて正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.TE を短くすると軽減できる。
2.スピン-スピン緩和による位相分散が原因である。
3.ボクセルサイズを大きくすると軽減することができる。
4.Gradient echo 法より spin echo 法のほうが顕著に発生する。
5.チタン合金はコバルト・クロム合金よりアーチファクトの影響が少ない。

答えと解説

1.○

2.× 磁化率の違いにより不均一磁場が生じて位相分散する

3.× ボクセルは小さい方が良い

4.× Gradient echo法の方が顕著に発生する

5.○

24)図中の矢印に示す縞様のアーチファクトについて正 しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.受信バンド幅を広げると改善できる。
2.マトリクスサイズを増やすと改善できる。
3.ソーベルフィルタを用いると改善できる。
4.Zero fill interpolationを用いると改善できる。
5.フーリエ変換におけるサンプリング数が有限であることに起因する。

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用
答えと解説

1.× バンド幅は狭くすると改善できる

2.× マトリクス数を増やすなら正解。FOVを変えずにマトリクスサイズを増やすと、トランケーションアーチファクトは目立つ

3.× 生データフィルタを用いると改善する

4.× Zero fill interpolationはみかけの空間分解能は向上するが、①信号量が少ないのでSNRが低い②ボケが多い③打ち切りアーチファクトが目立つ

5.○

正解は2つとなっているが、一つだと思います。
ただ、実際の試験では無理矢理2,5の二つを選ぶと思います。

25)Balanced SSFP シーケンスについて正しい文章を選択して下さい。
(正解 3 つ)

1.Gd 造影剤により造影効果を示す。
2.リワインダー傾斜磁場を必要とするシーケンスである。
3.図中の矢印に示すアーチファクトの間隔は TR に依存する。
4.図中の矢印に示すアーチファクト対策としてスポイリングが有効である。
5.図中の矢印に示すアーチファクトは、TR 間の位相オフセットが±π/2 になると顕著になる。

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用
答えと解説

1.○

2.○

3.○ TRに反比例する

4.× Balanced SSFPシーケンスではスポイリングは使わない

5.× TR 間の位相オフセットが±πになると顕著になる

第二部

26)操作モードの記述で正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.静磁場、傾斜磁場出力、比吸収率(SAR)、騒音の全てを管理する。
2.静磁場強度が 3T を超え 4T 以下の場合は、常に通常操作モードで運転する。
3.通常操作モードを超える事の決定は、患者に対する潜在的なリスクと効用との関係から医学にに判断しなければならない。
4.通常操作モードのレベルを超える場合には、患者及び MR 作業従事者に与える可能性のある影響を説明しなければならない。
5.1 つ又は複数の出力が患者に医療管理を必要とする生理学的ストレスを引き起こす可能性がある値に達する MR 装置の操作モードは、第一次水準管理操作モ ードである。

答えと解説

1.× 静磁場強度、傾斜磁場、高周波(RF)磁場および騒音を管理

2.× 第一次水準管理操作モード 現在は3T<B0≦8Tが第一次水準管理操作モード

3.○

4.○

5.○

27)磁気共鳴画像診断装置の基礎安全及び基本性能を規定する規格で、IEC60601-2- 33 を基に、診断用 MR システム及び MR 装置について、検査を受ける患者の安全、 操作を行う MR 作業従事者の安全、並びに MR システムの開発、製造、据付及びサー ビスを行う MR 作業従事者の安全についての技術的な側面について規定した日本工 業規格を選択して下さい。(正解 1 つ)

1.JIS Z 4005
2.JIS Z 4951
3.JIS Z 4952
4.JIS T 0601-1
5.JIS T 0601-3

答えと解説

2.JIS Z 4951

28)MRI の撮影においては、患者の安全性を考慮して聴力保護が必要であり、等価騒音レベルを( A )dB 未満に下げるのに十分でなければならない。A に入る数値を選択して下さい。(正解 1 つ)

1.80
2.99
3.100
4.115
5.140

答えと解説

2.99dB

140dBより高いピーク音圧レベルの騒音を生じてはならないと規定されており、安全性を考慮して等価騒音レベルを99dB(A)まで下げるための耳栓やイヤーマフなどによる聴力保護が必要

29)以下の警告及び禁止図記号とその説明の正しい組み合わせを選択して下さい。 (正解 1 つ)

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用

1. (A)強磁場によるリスク
    (B)MR 不適合
    (C)金属製体内植込物保有者の立入禁止

2. (A)強磁場によるリスク
    (B)ペースメーカ装着者の立入禁止
    (C)金属製体内植込物保有者の立入禁止

3. (A)強磁場によるリスク
    (B)金属製体内植込物保有者の立入禁止
    (C)ペースメーカ装着者の立入禁止

4. (A)金属製品・時計の持込禁止
    (B)ペースメーカ装着者の立入禁止
    (C)金属製体内植込物保有者の立入禁止

5. (A)金属製品・時計の持込禁止
    (B)金属製体内植込物保有者の立入禁止
    (C)ペースメーカ装着者の立入禁止

答えと解説

答えは2番

30)取扱説明書に記載されている撮像を避けなければならないケースを選択して下さい。(正解 3 つ)

1.環境温度が 25°Cを超過する場合の撮像。
2.確実な医療管理を行った上での第一次水準管理操作モードでの撮像。
3.体内深部温度が 39.0°Cを超えている患者の第一次水準管理操作モードでの撮像。
4.妊娠している患者の全身用 RF コイルによる第一次水準管理操作モードでの撮像。
5.国家規制に従って承認された人体に関わる調査研究プロトコルの医療責任者の許可がある場合の第二次水準管理操作モードでの撮像。

答えと解説

1.○ MR装置を使用してはならない

2.×

3.○ 通常操作モードのみで、39.5°を超えている人は撮像ができない

4.○ 妊婦は通常操作モードのみで撮像できる

5.×

31)立入制限区域について正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.立入制限区域外の漏えい磁場強度は 5mT を超えてはならない。
2.MR 作業従事者も撮像中は立入制限区域に立ち入ってはならない。
3.立入制限区域の全ての入口に適切な標識を設けなければならない。
4.立入制限区域内側では、固定されていない強磁性体が磁石に引き付けられ、患者に外部損傷を負わせる危険性がある。
5.装置に恒常的に取り付けられたカバーの外側に 0.5mT を超える漏えい磁場を生成する MR 装置は、MR 装置の周囲に立入制限区域を定め、恒常的に設ける必要がある。

答えと解説

1.× 0.5mT(5ガウスライン)を超えてはならない

2.× 撮像中に立入制限区域での作業は、MR作業従事者は騒音に関する保護規則に適合する聴力保護具を身につけなければならない

3.○

4.○

5.○

32)ボリューム送信コイルを使用した場合、通常操作モードにおける全身 SAR の上限値を選択して下さい。(正解 1 つ)

1.2.0 W/kg
2.3.2 W/kg
3.4.0 W/kg
4.10.0 W/kg
5.20.0 W/kg

答えと解説

1.2.0 W/kg

33)医療機器などの添付文書について正しい文章を選択して下さい。(正解2つ)

1.添付文書は状況や環境に応じた適応が可能である。
2.添付文書は患者の安全性を確保するためのものである。
3.添付文書は当該機器の危険性を最も熟知している PMDA が作成する。
4.添付文書に MRI 検査に関する記載がなければ安全に MRI 検査が可能である。
5.医学的特段な合理的理由があっても範囲外使用はすべて実施者責任となる。

答えと解説

1.×

2.○

3.× メーカー側が作成する

4.× MRIを使用することを考慮していないために記載していない可能性がある

5.○

34)ステントなどの安全基準として添付文書に記載される静磁場における空間の傾斜磁場(空間勾配磁場)について正しい文章を選択して下さい。(正解2つ)

1.単位は gauss/cm または tesla/m で表す。
2.ガントリ Z 軸方向の開口部より中心部の方が強い。
3.ガントリ X-Y 方向の辺縁部より中心部の方が強い。
4.この値は「磁場による力」×「静磁場」によって求まる。
5.水平静磁界の磁束密度の分布の最大偏向角点である。

答えと解説

1.○

2.× 開口部の方が強い

3.× 辺縁部の方が強い

4.× 「静磁場の強さ」×「静磁場における空間磁場勾配」

5.○

35)安全な MRI 検査を実施するうえで有効な手段を選択して下さい。 (正解0~5つ)

1.MRI 検査室内で作業するメンバーを限定する。
2.工事関係者の立入は MRI 検査担当者の監視下でおこなう。
3.事務の人の立会いでもいいので必ず複数人で MRI 検査を施行する。
4.1 年に 1 回全職員を対象に MRI 検査の安全性に関する教育訓練を実施する。
5.患者の架台への移乗は装置に付属の架台を検査室外に持ち出しておこなう。

答えと解説

1.○

2.×

3.×

4.○

5.×

解答に自信はありません

36)体内植込み型心臓ペースメーカについて正しい文章を選択して下さい。
(正解2つ)

1.条件付 MRI 対応心臓ペースメーカで 3T 対応の機種はない。
2.B1+rms<2.0μT は SAR<0.1W/kg より撮像条件の制限値が緩和される。
3.条件付で 1.5T 装置の可能なペースメーカは 0.5T 装置でも検査可能である。
4.条件付 MRI 対応心臓ペースメーカは水平磁場のトンネル型のみ許可されている。
5.条件付 MRI 対応心臓ペースメーカの遺残リードは条件付で MRI 検査可能である。

答えと解説

1.× ある

2.○

3.× 添付文書に記載されている静磁場のみ

4.○

5.× できない

37)図中の矢印で示す弁を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.三尖弁
2.僧帽弁
3.二尖弁
4.大動脈弁
5.肺動脈弁

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用
答えと解説

1.×

2.○

3.○

4.×

5.×

38)図中の矢印で示す筋肉を選択して下さい。(正解 1 つ)

1.棘上筋
2.僧帽筋
3.三角筋
4.棘下筋
5.大円筋

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用
答えと解説

1.○

2.×

3.×

4.×

5.×

39)図に示す脳神経の組み合わせで正しいものを選択して下さい。(正解 1 つ)

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用

1.A 滑車神経     B 内耳神経

2.A 動眼神経     B 顔面神経

3.A 外転神経     B 顔面神経

4.A 動眼神経     B 内耳神経

5.A 滑車神経     B 内耳神経

答えと解説

2.A 動眼神経     B 顔面神経

40)図中に描出されているものを選択して下さい。(正解 3 つ)

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より引用

1.視床
2.赤核
3.淡蒼球
4.尾状核
5.放線冠

答えと解説

1.○

2.×

3.○

4.○

5.×

41)腎臓について正しい文章を選択して下さい。(正解2つ)

1.尿管は総腸骨動脈と交叉する
2.腎動脈に狭窄が生じると低血圧になる
3.尿は腎盂→腎杯→尿管の順に排出される。
4.左右の腎臓の下部が繋がったものを馬蹄腎という。
5.腎門部は前方から腎動脈、腎静脈、尿管の順に並ぶ。

答えと解説

1.○

2.× 高血圧になる

3.× 腎杯→腎盂→尿管の順番

4.○

5.× 腎静脈、尿管、腎動脈の順

42)膝軟骨 MRI 検査について正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.T2 mapping は軟骨損傷を早期発見することができる。
2.拡散強調画像は軟骨損傷を早期発見することができる。
3.軟骨は 3 層構造(表層、中間層、深層)から構成される。
4.T1ρ mapping は軟骨組織内のプロテオグリカンを反映する。
5.dGEMRIC(gadolinium-enhanced MRI of cartilage)は通常の 2 倍量の造影剤を使用する。

答えと解説

1.○

2.×

3.× 4層構造(表層、中間層、深層、石灰化層)

4.○

5.○

T2 mapping:軟骨中のコラーゲンの配列と水分含有量の評価が可能
T1ρ mapping:プロテオグリカン(PG)濃度の評価が可能

43)心臓 MRI 検査について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.心筋 perfusion 検査はガドリニウム造影剤の T2*短縮効果を利用する。
2.Phase-sensitive inversion recovery(PSIR)法は TI の設定に注意を払う。
3.心筋タギング法は選択的励起パルス(SPAMM パルス)を用いてシネ撮像をおこなう。
4.プロスペクティブ心電図同期シネ撮像法はフラッシュアーチファクトが発生する。
5.Double-inversion recovery 法を用いた black blood 法は2つの非選択的inversion pulse を用いて血液信号を抑制する。

答えと解説

1.× 心筋 perfusion 検査はガドリニウム造影剤の T1短縮効果を利用

2.× PSIRはTIの設定が不要

3.○ MRI「超」講義(P,293)に空間選択的なRFパルスと記載されている。選択的と非選択的の両方がある。

4.○

5.× 1つ目は非選択的パルスで、2つ目で選択的パルスを使う

44)前立腺の MRI 所見について正しい文章を選択して下さい。(正解2つ)

1.前立腺癌は拡散強調像で高信号を示す。
2.正常な辺縁域は T2 強調像で高信号を示す。
3.前立腺癌の約 82%は移行域から発生する。
4.前立腺肥大の約 95%は辺縁域の増生である。
5.限局性の炎症変化や生検後は T2 強調画像で高信号を示す。

答えと解説

1.○

2.○

3.× 辺縁域

4.× 移行域

5.× T2WIで低信号を示す

45)膀胱の MRI 検査について正しい文章を選択して下さい。(正解2つ)

1.撮像前に排尿する。
2.正常筋層は造影効果が低い。
3.腫瘍および粘膜下層が早期に造影される。
4.腫瘍および筋層のコントラストが最大になるのは約1分後である。
5.撮像スライス断面は腫瘍基部の筋層に対して平行になるように設定する。

答えと解説

1.× 蓄尿することで膀胱壁が広がり観察しやすくなる

2.× 筋層も造影されるのでダイナミックが必要

3.○

4.○

5.○ 腫瘍に対して垂直に撮像することで筋層への深達度を評価する

46)MRCP について正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.肝動脈が障害陰影となる場合がある。
2.Oddi 括約筋の影響により描出能が変化する。
3.Rokitansli-Aschoff sinuses は良性病変である。
4.濃縮胆汁の場合は TE を延長すると描出能が向上する。
5.Intraductal papillary mucinous tumor の漿液性嚢胞は拡散強調像にて高信号を示す。

答えと解説

1.○

2.○

3.○

4.× 短縮胆汁はT2値が短縮するのでTEを短くすることで描出能が上がる

5.× 嚢胞部分は低信号になる

47)Gadolinium-ethoxybenzyl-diethylenetriamine penta-aceticacid 検査について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.主として胆汁に排泄される。
2.細胞外液と肝細胞に分布する。
3.造影剤投与後 15 分から撮像可能である。
4.造影効果は腎機能の程度によって変化する。
5.造影剤はトランスポータによって肝細胞に取り込まれる。

答えと解説

1.× 胆汁排泄(40%)と腎排泄(60%)

2.○

3.× 造影剤投与後20分から撮像可能

4.× 肝機能の程度により変化する

5.○

48)正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.類表皮嚢腫は拡散強調像で著明な低信号を示す。
2.くも膜下出血の診断には T2 強調像が有用である。
3.もやもや病は頭蓋内の内頚動脈に閉塞や狭窄がみられる。
4.脳梗塞の虚血中心は 1H-MRS で lactate の上昇を確認できる。
5.アルテプラーゼ静注療法は発症から 6 時間以内に治療可能な虚血性脳血管障害患者に対しておこなう。

答えと解説

1.× 高信号を示す

2.× T2*WIやFLAIRが有用

3.○

4.○

5.× 4.5時間以内

49)関係のある組み合わせを選択して下さい。(正解2つ)

1.膵癌                 → T1強調像      → 高信号
2.脳膿瘍              → 拡散強調像    → 高信号
3.Dermoid cyst   → T2強調像      → Shading
4.急性期脊髄梗塞  → ADC-map    → 低値
5.肝海綿状血管腫  → T2強調像      → 低信号

答えと解説

1.× 低信号

2.○

3.× shadingは子宮内膜症性嚢胞で慢性期の血液が混在する場合には、T2WIで高信号の中に低信号が混じった像

4.○

5.× 高信号

50)関係のある組み合わせを選択して下さい。(正解2つ)

1.肝細胞癌           → 造影 dynamic study   → Corona sign
2.粘膜下筋腫        → T2 強調像                  → Bridging vascular sign
3.椎骨動脈解離     → MR 血管像                 → Pearl and string sign
4.急性期脳梗塞     → 拡散強調像                 → Intra arterial signal
5.後十字靱帯損傷  → プロトン密度強調像     → Double PCL sign

答えと解説

1.○

2.× Bridging vascular signは漿膜下筋層の所見で、筋層から筋腫への栄養血管がsignal voidとして描出される

3.○

4.× 超急性期脳梗塞のFLAIR像で閉塞血管が高信号に描出されることをIntra arterial signalという

5.× Double PCL sign:半月板のバケツ柄断裂で顆間部へ変位した断裂片がPCLの下方に存在し、あたかも2本のPCLに見えること


いかがでしたか?参考になれば幸いです。

試験勉強は大変ですが、引き続き頑張っていきましょう!

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放射線技師ブロガー
都内の病院で診療放射線技師として活動するラジブログがお届けする『MRI』に特化した情報ブログ

試験対策やノウハウを提供しつつ、ライフハックや転職にも焦点を当てます

診療放射線技師や医療関係者がキャリアを発展させるための情報を提供できるように頑張ります
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