MRIの音がうるさい理由とは?快適に検査を受けるための対策
MRI検査といえば、「ガンガンガン」や「ドンドンドン」といった大きな音が特徴です
この騒音に悩まされる方は少なくありませんし、検査中は体を動かせないため、決して快適とは言えませんよね
この記事では、MRI検査中の大きな音の原因と、その対策方法について詳しく解説します
また、MRIの音に関する規定や、今後の静音化技術の進展についても触れています
これを読めば、次回のMRI検査を少しでも快適に受けるためのヒントが得られるはずです
- MRIの大きな音の原因
- 音に対する対策
- 今後MRIの音は静かになるのか
MRI検査時の音の原因は何か?
MRI検査の大きな音の正体は、傾斜磁場コイルが強い力で高速に振動していることにあります
ここで、MRI装置の構造を簡単に説明しながら、その音の原因を解説します
MRI装置を輪切りにすると、三層のコイルが見えてきます
- 静磁場コイル(オレンジ色):MRI装置の基礎となる主磁場を生み出しています
- 傾斜磁場コイル(青色):位置情報を得るためのコイルで、音の主な原因です
- 高周波コイル、RFコイル(黄色):体に高周波磁場を与え、信号を得る役割を持ちます。カメラのような機能をしており、体の上に乗せたり、体を覆う形で使用されます
MRI装置は磁場と高周波パルスを利用して体内の詳細な画像を生成します
この過程で以下のような音が発生します
傾斜磁場コイルの振動
急激な電流のオンオフにより、傾斜磁場コイルが振動します
1秒間に数回から数千回の振動があり、これが「ガンガンガン」や「ドンドンドン」という大きな音を引き起こします
高周波コイルの動作
高周波コイルはMHz(=100万Hz)帯の振動を起こしますが、これは人間の可聴域を超えているため、通常は聞こえません
ちなみに人の可聴域は20〜2万Hzです
これ以上の振動でも以下の振動でも、人の耳には聞こえません
その他の機械的な音
MRI装置内部の冷却システムやその他の機械部品も音を発生させますが、主な原因は傾斜磁場コイルの振動です
このように、MRI検査時の大きな音は、主に傾斜磁場コイルの振動によるものです
うるさい音に対する対策は何か?
MRI検査中の大きな音に対する対策として、以下の方法があります
耳栓の使用
最も効果的でシンプルな方法です
耳栓をすることで、騒音を大幅に軽減できます
低反発ウレタンの耳栓は特に遮音性が高くおすすめです
ヘッドホンの利用
多くの施設ではノイズキャンセリングヘッドホンが提供されており、音楽を聴きながらリラックスすることができます
耳栓とヘッドホンの併用
耳栓とヘッドホンを二重に使用することで、さらに効果的に音を遮断できます
ただし、呼吸の指示が聞こえなくなる可能性があるため、検査の内容によっては医療スタッフに確認しましょう
私は睡眠時にこの耳栓を愛用しています⇩低反発ウレタンなので耳の穴にフィットして遮音性が高いです
MRIの音に関する規定
MRI検査の騒音に関しては、以下のような規定があります。
- ピーク音圧レベル:MR寝台上の患者の位置で140dB(デシベル)を超える騒音を生じてはならない
- 等価騒音レベル:ピーク音圧レベルが140dB以下でも、等価騒音レベルが99dB(A)を超える場合は、耳栓やヘッドホンを使用して騒音を低減する必要がある
MRI検査の音は今後どうなるのか?
MRI検査の音については、技術の進歩により改善が進んでいます
静音化技術
傾斜磁場コイルの振動を低減する技術が開発されていますが、これにより撮像時間が延びたり、画像の質が低下する場合があります
ハードウェアの改良
MRI装置自体を静音化するための改良が進められており、今後さらに音が小さくなることが期待されます
医療現場は日進月歩で進化しているから、今後に期待しましょう!
まとめ
MRI検査の大きな音の原因とその対策、そして今後の展望について理解していただけたでしょうか
以下に要点をまとめます
- 原因:MRIの騒音は傾斜磁場コイルの振動によるものです。
- 対策:耳栓やヘッドホンを使用することで騒音を低減できます。
- 今後の展望:静音化技術やハードウェアの改良により、音はさらに小さくなると期待されています。
MRI検査がより快適で簡単になることで、全ての人が安心して検査を受けられるようになることを願っています
次回のMRI検査の際には、ぜひこれらの対策を試してみてください
それではまた次回お会いしましょう
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