糖尿病の人必見!造影剤使用時の注意点と安全対策

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みなさん、こんにちは!

放射線技師のラジブログです

病院でCT検査を受ける際に「造影剤」を使うことがあります。

しかし、糖尿病を患っている人で特にビグアナイド系糖尿病薬を使っている方は注意が必要です。

このブログでは、次のことをわかりやすく説明します。

この記事で分かること
  • 糖尿病患者さんが造影剤を使うときの注意点
  • ビグアナイド系糖尿病薬と造影剤の関係
  • インスリンを使っているときの造影剤の安全性
  • 乳酸アシドーシスについて

糖尿病と造影剤の使用

造影剤って何?

まず、造影剤について簡単に説明します。

造影剤は、CTやMRIなどの画像検査で体の中を詳しく見るために使う薬です。

造影剤を使うと、血管や臓器が画像でよりはっきりと映し出されるので、病気や異常を正確に診断することができます。

例えば、腫瘍の位置や範囲を確認する際に非常に有用です。

造影剤がないと、これらの細かい部分が見えにくくなるため、診断が難しくなることがあります。

糖尿病の人が造影剤を使うときの注意点

糖尿病の人が造影剤を使うときには注意が必要です。特に以下のことに注意しましょう

  • 腎臓の健康チェック:造影剤は腎臓に負担をかけることがあります。腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出する重要な役割を担っています。糖尿病患者さんの中には、すでに腎臓の機能が低下している方もいるため、造影剤を使う前に腎臓の状態を確認することが重要です。これを「腎機能チェック」と言います。血液検査でクレアチニンやeGFR(糸球体濾過率)という値を確認します。
  • 水をたくさん飲む:造影剤を使った後は、水をたくさん飲むことが重要です。造影剤は腎臓を通って体外に排出されるため、水分を多く摂ることで尿の量を増やし、造影剤を早く体から出すことができるからです。これは「造影剤腎症」を防ぐためです。造影剤腎症とは、造影剤が腎臓に悪影響を与えることで、一時的に腎機能が低下する状態です。水をたくさん飲むことで、腎臓への負担を減らすことができます。

腎機能については以下の記事で詳しく解説しています⇩

ビグアナイド系糖尿病薬と造影剤

ビグアナイド系糖尿病薬って?

ビグアナイド系糖尿病薬は、血糖値を下げるための薬で、メトホルミンがその代表です。

肝臓での糖の生成を抑え、筋肉や脂肪組織が糖をより多く取り込むのを助けます。

造影剤を使うときの注意点

ビグアナイド系糖尿病薬を服用している方は、造影剤を使う前後に特に注意が必要です。

  • 薬の一時的な中止:造影剤を使う前の2日間、検査当日、そして検査後の2日間、ビグアナイド系糖尿病薬の服用を中止することが推奨されています。そして、検査後に腎臓が正常に働いていることを確認してから、薬を再開します。これは、造影剤とビグアナイド系糖尿病薬が一緒になると、腎臓に大きな負担をかける可能性があるためです。
  • 乳酸アシドーシスのリスク:ビグアナイド系糖尿病薬を使っていると、造影剤を使った後に「乳酸アシドーシス」という重い副作用が起こることがあります。乳酸アシドーシスは、体に乳酸がたまりすぎる状態で、これがひどくなると命に関わることがあります。このため、造影剤を使う前後には、医師の指示に従い、適切な管理が必要です。

乳酸アシドーシスとは?

乳酸アシドーシスは、血液中に乳酸が異常に蓄積することで起こる状態です。これは体が酸性に傾き、深刻な症状を引き起こします。具体的には、次のような症状が現れます。

  • 吐き気や嘔吐
  • 腹痛
  • 脱水症状
  • 低血圧
  • 呼吸困難
  • 意識障害

この状態は命に関わることもあるため、特に肝臓や腎臓、心臓、肺に問題がある人、または大量のアルコールを摂取する人は注意が必要です。

ビグアナイド系糖尿病薬を服用している場合、特に注意が必要です。

造影剤と乳酸アシドーシスの関係

造影剤を使用すると、腎臓に一時的な負担がかかることがあります。

ビグアナイド系糖尿病薬(例:メトホルミン)は、腎機能が低下した状態で使用すると、体内に乳酸が蓄積しやすくなります。

造影剤が腎臓に負担をかけると、ビグアナイド薬の排出が遅れ、乳酸アシドーシスのリスクが高まります。そのため、造影剤を使用する前後にはビグアナイド薬を一時的に中止する必要があります。

インスリン使用中の造影剤

インスリンと造影剤の安全性

インスリンを使用している方は、比較的安全に造影剤を使用することができますが、注意点もあります。

  • 血糖値の管理:造影剤を使うと、一時的に血糖値が変わることがあります。これはストレスや造影剤自体の影響によるものです。したがって、造影剤を使った日は特に血糖値のチェックをこまめに行い、異常があればすぐに対処できるようにしましょう。
  • 医師への相談:造影剤を使う前には、必ず担当医に相談し、指示を受けましょう。

まとめ

糖尿病の方は造影剤を使うときにはいくつかの注意点があります。

特にビグアナイド系糖尿病薬を使っている場合は、乳酸アシドーシスのリスクを避けるために、一時的に薬を中止する必要があります。

インスリンを使っている場合でも、血糖値をしっかり管理することが大切です。

また、造影剤を使った後には、水をたくさん飲んで早く体から造影剤を排出することが重要です。

これにより、腎臓への負担を減らし、造影剤腎症を防ぐことができます。

どちらの場合も、造影剤を使う前には必ず医師に相談し、正しい指示を受けてください。

以上参考になれば嬉しいです

それではまた次の記事でお会いしましょう!

バイバイ

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