MRI過去問解説

第7回 MR専門技術者認定試験 解答と解説

radio-neko

MR専門技術者認定試験って問題はあっても、解答や解説ないですよね。
そんな貴方のお悩み解決しましょう!!

解答・解説に保証はありませんので、参考程度にお願いします。
また間違いや、ご指摘ありましたらご連絡お願いします。

図や臨床画像に関しては、過去問を参照してください。

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Contents
  1. 第一部
  2. 第二部

第一部

1)次の記述について正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1.緩和現象はBPP理論が基礎となっている.
2.T1値は静磁場強度に比例して延長する.
3.T2値は分子の運動周波数が大きいほど短くなる.
4.T2緩和の原因は双極子-双極子相互作用による局所磁場揺動である.
5.分子の運動周波数が共鳴周波数に最も近い場合に最短のT1値になる.

答えと解説

1.○

2.× 静磁場強度が上がれば延長はするが比例ではない

3.× 分子の運動周波数が小さいほど短い

4.○

5.○

2)脂肪抑制法または脂肪検出法に関する説明について正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1.Dixon法は位相差法とも言われ,水画像と脂肪画像を作成することができる.
2.造影剤投与後に撮影した脂肪抑制T1強調像が脂肪抑制不良であったため,STIR法で代用した.
3.GRE法によるin phase画像とopposed phase画像を差分処理すると,水と脂肪の存在比率を算出できる.
4.副腎腺腫が疑われたので腫瘍内の脂肪組織を検出するためにgradient echo法によるin phase / opposed phaseのdual echoT1強調像を撮影した.
5.各種脂肪抑制法のうち,pre-saturation pulseを利用する代表的な方法にはCHESS法やbinomial pulse法がある.

答えと解説

1.○

2.× 造影された病変までSTIR法で抑制される可能性がある。造影後にSTIR法は使用しないほうが良い

3.× 差分と加算処理

4.○

5.× binomial pulseは前処理パルスとしてではなく励起パルスとして用いられる

3)Multi transmit技術に関連する記述について正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1.3テスラ装置に用いられるRFの空気中での波長は約27cmである.
2.臨床におけるmulti transmit技術の採用による利点は画像均一性の向上や比吸収率(SAR)低減などである.
3.Multi transmit技術はspin echo法やfast spin echo法などで有用な方法であり,gradient echo法には必要ない.
4.B1不均一の原因のうちstanding wave effect(定常波効果)とはRFの入射波と反射波による合成波が体内で不均一な分布となる現象のことである.
5.B1 mappingとは送信されたRFの撮影領域内における空間分布を測定し,送信RFが最適な周波数となるように調整を行うことである.

答えと解説

1.× 人体内の波長が27cm、空気中の波長は2.35m

2.○

3.× gradient echo法でも有用

4.○ 誘電効果(dielectric effect)ともいう

5.× 送信RFが最適な周波数となるように調整を行うことである→シミングを指していると思われる

4)次の記述について正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1.T1は縦磁化が36.8%まで回復する時間である.
2.T1は磁場強度が高くなるほど短くなる.
3.T2は横磁化が63.2%まで減衰する時間である.
4.磁場の不均一はT2(T2*)を短縮させる.
5.MRI造影剤はT1およびT2を変化させる.

答えと解説

1.× 63%まで回復する時間

2.× 磁場強度が上がると長くなる

3.× 37%まで減衰する時間

4.○

5.○

5)還流MRIの記述について正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1.還流(perfusion)とは「毛細血管レベルの血流動態」を指す.
2.造影剤を使用してEPI法で撮影する一般的な方法では,高濃度の造影剤の通過によるT1短縮効果による信号上昇を継時的に観察する.
3.脳血流量(rCBF)は脳血液量(rCBV)と平均通過時間(MTT)より次式で求めることができる.rCBF=rCBV/MTT
4.ASL(arterial spin labeling)法とは造影剤を使用しない還流MRIの総称で,FAIR法やCASL法などの手法がある.
5.ASL法で血管内のスピンを反転(ラベル)してから撮影までのdelay時間(TI)は1.5テスラでは1.5秒程度,3テスラでは3秒程度が標準的である.

答えと解説

1.○

2.× T2短縮効果による信号低下を観察

3.○

4.○

5.× delay時間と磁場強度は関係ない

6)3テスラ装置の記述について正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1.比吸収率(SAR)は1.5テスラの約2倍になる.
2.磁化率効果は1.5テスラより約2倍大きくなる.
3.化学シフト(ppm)は1.5テスラの2倍になる.
4.強磁性体に加わる回転力(トルク)は1.5テスラの約4倍になる.
5.第2の化学シフトアーチファクトの強さは1.5テスラより強く現れる.

答えと解説

1.× 4倍 SAR ∝(σr²B₀²α²D)/p
σ(電気伝導率) r(半径) B₀(静磁場強度) α(フリップ角) D(デューティサイクル) p(比重)

2.○

3.× ppmは不変

4.○

5.× 磁場の強さとは関係しない

7)次の記述について適切な撮像法を選択して下さい.(正解3つ)

1.急性膵炎と慢性膵炎との鑑別に拡散強調画像を撮像した.
2.子宮内膜性嚢胞と類皮嚢腫との鑑別にSTIR法で撮像した.
3.クモ膜嚢胞と類表皮嚢胞との鑑別に拡散強調像を撮像した.
4.子宮体癌の進達度を見るため,Gd造影剤によるdynamicMRIを行った.
5.副腎腺腫瘍と転移性悪性腫瘍の鑑別にin phaseとopposed phaseのT1強調像を撮像した.

答えと解説

1.×

2.× 選択的脂肪抑制の方が良いのかも?

3.○ 類表皮嚢胞はDWIで高信号、クモ膜嚢胞はDWIで低信号

4.○

5.○ 副腎腺腫瘍は脂肪を含んでる可能性が大きい

8)基本条件:TR(繰り返し時間)=4000ms , TE(エコー収集時間)=100ms , 加算回数=2回 , マトリクス=256×256 , スライス数=10枚 , スライス厚=10mm , FOV=300mm.バンド幅=130Hz/pixel , 撮像シーケンスはspin echo法を使用する.この条件で撮像した時のSNRについて,次の記述で,正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1.スライス厚を20mmに変更したときのSNRは2倍になる.
2.バンド幅を65Hz/pixelに変更したときのSNRは1/2になる.
3.バンド幅を260Hz/pixelに変更したときのSNRは2倍になる.
4.FOVを150mmに変更したときのSNRは基本条件の1/4のSNRになる.
5.FOVを150mmに変更したとき,スライス厚を40mmすると同じSNRになる.

答えと解説

1.○

2.× √2倍

3.× 1/√2倍

4.○

5.○

9)次の記述について正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1.ガドリニウム金属は常磁性体である.
2.反磁性体の磁化率は温度と無関係である.
3.常磁性体の磁化率は10-6~10-2程度である.
4.強磁性体には残留磁化や磁化履歴現象がある.
5.反磁性体は磁場にさらされた時に磁場と反対方向に非常に強く磁化される.

答えと解説

1.× 強磁性体 ガドリニウムイオン(Gd+)は常磁性体

2.○ 強磁性体はキュリー温度があるので関係あり

3.○

4.○

5.× 反対方向に弱く磁化される

10)次の記述について正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1.スティミュレイテッドエコーはT2*減衰を示す.
2.自由誘導減衰信号(FID信号)はRFパルス印加後,反転傾斜磁場を印加することで発生する.
3.CPMG法を用いたスピンエコー法は,一度に多数のTEの異なったスピンエコー信号が得られる.
4.CPMG法を用いたスピンエコー法は,180度パルスが不正確でも奇数番エコーは正確なT2減衰を示す.
5.MR画像は複素データを絶対値演算した画像になるため,絶対値演算後の雑音は平均値0以上のレイリー分布を示す.

答えと解説

1.× 色々な信号が含まれている

2.× RFパルス印加後,反転傾斜磁場を印加する→GRE

3.○

4.× 偶数番エコーは正確なT2減衰を示す

5.○

11)次の記述について正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1. 神経鞘腫は造影効果が低い.
2. 下垂体微小腺腫は早期造影T1強調像で,正常下垂体よりも造影効果は低い.
3. Creutzfeldt-Jakob病(クロイツフェルト・ヤコブ病)では,拡散強調像で大脳皮質が高信号な場合がある.
4. 膠芽腫は造影T1強調像でdural tail signが特徴的である.
5. 髄膜炎の造影T1強調像では脳表髄膜に造影効果が認められる

答えと解説

1.× 強く造影される

2.○

3.○ 被殻と淡蒼球・大脳皮質の高信号が特徴

4.× 髄膜腫で特徴的

5.○ 髄膜炎は硬膜、硬膜下腔、くも膜が主体のdura-arachnoid pattern(DA型)と,くも膜下腔,軟膜が主体のpia-subarachnoid pattern(PS型)がある

12)次の記述について正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1.比吸収率(SAR)は磁場強度に比例する.
2.磁化率効果は磁場強度に比例する.
3.J-カップリングは磁場強度に比例する.
4.化学シフト(Hz単位)はB0に比例する.
5.渦電流は電気電導率が高いほど大きい.

答えと解説

1.× 二乗に比例

2.○

3.× 磁場強度とは無関係

4.○ ppm単位では不変

5.○

13)拡散強調像について正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1.拡散係数は温度が高いほど大きい.
2.拡散係数は粘度が高いほど大きい.
3.拡散係数が大きいほど,拡散速度が速い.
4.b値を大きくすると,拡散よりも毛細血管流の影響が強くなる.
5.同時に3方向にmotion probing gradientを付加することによって,拡散の異方性をなくすことができる。

答えと解説

D=(kT/6πηR)[mm2/s]
D(拡散係数) k(ボルツマン定数) T(温度) η(粘稠度) R(拡散粒子の半径)

1.○

2.×

3.○

4.× b値が小さいと還流の影響が残る

5.○

14)1.5テスラMR装置において,周波数エンコード傾斜磁場が5mT/mのとき,最小FOVが30cmであった.この周波数エンコード傾斜磁場強度を2倍にしたときに得られる最小FOVについて選択して下さい.(正解1つ)

1.5cm
2.10cm
3.15cm
4.45cm
5.60cm

答えと解説

FOV=BW/傾斜磁場
上記の式に当てはめて計算するとFOVは15cmとなる
答えは3

15)3テスラMR装置の開口部にアルミ板を置いたときにゆっくり倒れていく現象が見られた.この原因として最も関係の深い法則を選択して下さい.(正解2つ)

1.クーロン力
2.ローレンツ力
3.ファラデーの法則
4.フレミングの左手の法則
5.フレミングの右手の法則

答えと解説

1.×

2.×

3.○

4.×

5.○

16)関節のMRIについて,正しい文章を選択して下さい.(正解1つ)

1.肘部管症候群は,ガングリオンなどによる正中神経の圧迫が原因で起こり,T2強調像の横断面で観察しやすい.
2.肩関節の棘上筋腱は肩の腱板で最も断裂しやすく,外転外旋位の脂肪抑制T2強調像の斜冠状断面が観察しやすい.
3.膝の十字靱帯断裂は,前十字靱帯より後十字靱帯で生じやすく,T2強調像の矢状断面で観察しやすい.
4.足関節におけるマジックアングル現象は,靱帯や腱に対する高信号領域の出現があり,T2*強調像の矢状断面で問題となりやすい.
5.手関節のTFCC(triangular fibrocartilage complex)損傷は,手根骨と尺骨を支持している靱帯や腱鞘の損傷のことで,T1強調像の冠状断面で高信号域として観察できる.

答えと解説

1.× 尺骨神経の圧迫が原因

2.× 内転外旋位が観察しやすい

3.× 前十字靭帯の方が断裂しやすい

4.○

5.× T2*WIで高信号

17)膀胱腫瘍のT2強調像と拡散強調像から正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)
<写真あり>

1.膀胱筋層の信号線が保たれているので表在性膀胱癌である.
2.膀胱筋層の信号線が保たれていないので浸潤性膀胱癌である.
3.病気分類でT1であり,経尿道的膀胱腫瘍切除術の適応がある.
4.病気分類でT2であり,経尿道的膀胱腫瘍切除術の適応がある.
5.病気分類でT3であり,膀胱全摘除術の適応がある.

答えと解説

図がないため回答できず

18) 撮像する際にSARを低減させる正しい方法を選択して下さい.(正解3つ)

1.TRを長くする.
2.FAを大きくする.
3.スライス数を少なくする.
4.エコー時間を短くする.
5.パラレルイメージングを利用する.

答えと解説

1.○

2.× FAは小さくする

3.○

4.× エコー時間は関係ない

5.○

19) 受信バンド幅について正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1.受信バンド幅とサンプリン時間は比例する.
2.受信バンド幅が大きくなると,化学シフトが小さくなる.
3.受信バンド幅が大きくなると,リンギングアーチファクトが大きくなる.
4.受信バンド幅が大きくなると,SNRは上昇する.
5.受信バンド幅が大きくなると,磁化率アーチファクトが小さくなる.

答えと解説

1.× 反比例

2.○

3.○

4.× SNRは低下する

5.○
正解2つとなっているが、2,3,5が正しいと考えられる。

20)下図は27歳の男性である.最も疑われる疾患を1つ選んでください.

1.多形膠芽腫
2.多発性硬化症
3.転移性脳腫瘍
4.脳膿瘍
5.結節性硬化症

答えと解説

図がないため回答できず

第二部

21)化学シフトアーチファクトについて,正しい文章を選択してください(正解2つ)

1.TEを延長すると,化学シフトが発生しやすい.
2.スライス選択方向には,化学シフトは発生しない.
3.受信バンド幅を小さくすると,化学シフトは目立たなくなる.
4.スピンエコー法では,位相エンコード方向には化学シフトは発生しない.
5.32KHzの受信バンド幅で256ピクセルの場合,3.0Tの化学シフトは3.6ピクセルである

答えと解説

1.× TEを延長することで、化学シフトは出にくくなる

2.× スライス方向にも出るのでSSGRなどの技術で抑制する

3.× バンド幅を大きくすると、化学シフトは小さくなる

4.○ EPI法では位相エンコード方向に発生する

5.○ 1ピクセルあたりのバンド幅は32000(Hz)/256=125(Hz)
3Tでの水と脂肪の周波数差は約447(Hz) 447/125=3.57

22)JIS Z 4951で規定されているSAR(比吸収率)について,正しい文章を選択してください(正解2つ)

1.第二次水準管理モードについては,SAR上限値はない.
2.SAR上限値は,検査室の周囲温度が24℃よりも低ければさらに高い値が許容される.
3.頭部SAR上限値は,通常操作モードの値よりも第一次水準管理モードの値のほうが大きい.
4.局所SARとは,一定時間及び患者の任意の身体組織10gにわたって平均化したSARのことである.
5.SAR決定方法にはパルスエネルギー法と熱量測定法があるが,パルスエネルギー法は,温度センサーを使用して人体等価な試験物のRF照射による温度上昇値を計測し,SAR値を算出する方法である.

答えと解説

1.○

2.× 25℃より高ければSARを下げなければならない

3.× 同じ3.2w/kgである

4.○

5.× 温度センサーを使用して人体等価な試験物のRF照射による温度上昇値を計測し,SAR値を算出する方法である→熱量測定法

23)次の安全性に関わる文章で,正しい文章を選択してください(正解2つ)

1.吸引力は磁場(コイル)中心部が最も強い.
2.SARはフリップ角に正比例して大きくなる.
3.局所(四肢などの末梢)のSARほど高く許容されている.
4.傾斜磁場変動(dB/dt)は中心部より辺縁部の方が大きい.
5.1.5Tから3.0Tになるとマグネットの中心付近の吸引力は√2倍になる.

答えと解説

1.× ガントリー開口部が最も強い

2.× フリップ角の二乗に比例

3.○

4.○

5.× 静磁場強度に比例するので2倍

24)Standing wave effectsに関して正しい文章を選択してください(正解1つ)

1.1.5テスラ以下の比較的低磁場装置において問題となる.
2.B0磁場の影響によって,信号が不均一となる.
3.磁化率の影響が起因となる.
4.大きな対象物において,問題となる.
5.パラレルイメージングの併用によって,除去可能である.

答えと解説

1.× 3.0T以上の高磁場で起こりやすい

2.× B1の影響により起こる

3.× 誘電率の差が影響している

4.○

5.× 対策としては①パラレル送信(Multi transmit) ②フェイズドアレイコイルを使用 ③誘電パッドを使用 

25)次の記述について正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1.膝関節のMRI検査は前十字靱帯を評価する際に,膝をやや屈曲させ撮影する.
2.マジックアングルの影響を少なくするために,SEもしくは高速SE法のTEを最短に設定する.
3.前十字靱帯を評価する際は,SE法もしくは高速SE法を用いたPD強調画像が適している.
4.半月板を評価するT2強調画像は設定できる最短のTEで撮影を行う.またFAは90度を用いる.
5.半月板を評価する際は,SEもしくは高速SE法を用いたT1強調画像を撮影し,PD強調画像およびGE法を用いたT2強調画像は適していない.

答えと解説

1.○

2.× TEを延長する

3.○

4.× T2*WIではFAは浅くする

5.× T1WI,T2*WI,PWIで半月板損傷が明瞭に描出できる

26)パラレルイメージングファクターを1から2にして、FOVを2倍にした場合のSNRを選択してください(ただし、ジオメトリーファクターは無視する)

1.1
2.2
3.1.48
4.2.86
5.3.56

答えと解説

SNRPI=SNRFULL/(g√R) ※g(ジオメトリファクタ) R(リダクションファクタ)

FOVが2倍なので、SNRは4倍となり
Rが2に増えているので、SNRは√2となる √2は1.4として計算すると
4/1.4=2.857となり

答えは4番となる

27)スライス厚測定について,正しい文章を選択してください(正解2つ)

1.ウエッジ法で,2対のウエッジを使用するのは,画像歪みを補正するためである.
2.スライス厚の測定は,2対のウエッジか傾斜板を使用するのが,一般的である.
3.スライス厚に影響を与える因子として,傾斜磁場の不均一,RFパルスの不均一,静磁場の不均一などがあげられる.
4.基本的にウエッジの角度をαとした場合,スライス厚はスライスプロファイルの微分の半値幅xsin(α)で求められる.
5.ウエッジの撮像は,大きなFOVと少ないマトリクス数で,高いSNRの画像を得る事が重要である.

答えと解説

1.× ファントムの傾きの誤差補正のため

2.○

3.○

4.× 半値幅 x tan(α)

5.× 小さいFOVでマトリクス数を多めにし、1ピクセル=1mm程度にする

28)通常みられる血管の分岐について,正しい文章を選択してください(正解2つ)

1.眼動脈は内頸動脈から分岐する.
2.外頸動脈は椎骨動脈から分岐する.
3.右総頸動脈は胸部大動脈より分岐する.
4.左椎骨動脈は左鎖骨下動脈から分岐する.
5.後下小脳動脈(PICA)は脳底動脈から分岐する.

答えと解説

1.○

2.× 総頚動脈から分岐

3.× 腕頭動脈から分岐

4.○

5.× 椎骨動脈から分岐

29)Truncation artifactについて正しい文章を選択してください(正解2つ)

1.EPIでは、発生しない.
2.位相エンコード方向にも周波数エンコード方向にも出現する.
3.FOV外にある被写体の部分信号が,FOV内に移籍されるアーチファクト.
4.フーリエ変換MRIにおいて,時間的な制限のため,無限に高い周波数成分で近似できないため発生する.
5.Nyquist理論によれば,周波数の1周期あたり1回以上のサンプルを収集すると,その波の周波数を正しく認識できる.

答えと解説

1.×

2.○

3.× 折り返しアーチファクトのこと

4.○

5.× 折り返しアーしファクトのこと 1周期あたり2回以上のサンプル

30)1T装置で傾斜磁場強度0.5gauss/cm,FOV20cm,受信バンド幅42.57KHzの時,傾斜磁場強度を変えずにFOVを10cmにするための受信バンド幅を次のうちから選択してください

1.6.52KHz
2.21.28KHz
3.42.57KHz
4.59.6KHz
5.87.12KHz

答えと解説

FOV=BW/傾斜磁場
FOVを半分にしているので、傾斜磁場を変えないのならBWを半分にすれば良い

答えは2番の21.28KHz

31)筋と存在部位の関連で正しいものを選択してください(正解2つ)

1.梨状筋____頚部
2.円回内筋__前腕
3.ヒラメ筋__腰部
4.棘下筋____肩関節
5.ハムストリング__足関節

答えと解説

1.× 臀部

2.○

3.× 下腿

4.○

5.× 大腿後方

32)次の安全性に関わる文章で,正しい文章を選択してください(正解2つ)

1.MR検査室の出入口は2箇所設けた方が安全性がよい.
2.ケーブルがループを形成してなければやけどの危険性はない.
3.クエンチの時、検査室に入る前に必ず酸素濃度計を確認する.
4.検査中の身体の露出が少ないとやけどの危険性が高まると考えられている.
5.医療器具のMR装置対応について私たちが最も遵守するのは添付文書である.

答えと解説

1.×

2.× 素肌に接触していると火傷の危険性がある

3.○

4.× 露出は少なくする

5.○

33) SSFP(steady state free precession)でのブラックバンドアーチファクトについて,正しい文章を選択して下さい.(正解3つ)

1.縞の間隔はTRに反比例する.
2.スライス厚を薄くすると軽減できる.
3.対処法の1つにPhase Cycle法がある.
4.このアーチファクトは,磁場の不均一に起因する.
5.off-resonanceでの磁化の信号強度の上昇が,ブラックバンドを発生する.

答えと解説

1.○

2.× スライス厚は関係ない

3.○

4.○

5.× off-resonanceでの磁化の信号強度の低下が,ブラックバンドを発生する

34)下のMRCP像で,正しい文章を選択してください(正解は2つ)<写真あり>

1.aはSantorini管である.
2.bはWirsung管である.
3.cは腹側膵管である.
4.aは総胆管と胆嚢管が合流したものである.
5.aはVater乳頭部に開口する.

答えと解説

図がないため回答できず

Santorini管は副膵管、背側膵管ともいう
Wirsung管は主膵管、腹側膵管ともいう

35)保守点検やその関連事項について,正しい文章を選択してください(正解は2つ)

1.緊急減磁装置の動作確認のため,定期的にマグネットをクエンチさせて点検する.
2.検査室のRFシールド性能は,シールド材料の性能で決まるので,低下することはない.
3.RF受信コイルのケーブル接続部や絶縁被覆の損傷は,高周波やけどの原因になることがある.
4.超伝導マグネットの冷媒ヘリウムは,冷凍機で冷却されていれば蒸発しないので減ることはない.
5.ヘリウム排気管や排気口に詰まりや閉塞があると,クエンチ時に検査室内に気化したヘリウムが漏れることがある.

答えと解説

1.×

2.× 経年劣化する

3.○

4.× ただし、現在の装置はほぼ蒸発しない

5.○

36)超急性期の脳梗塞を検査するうえで,正しい文章を選択してください(正解は3つ)

1.虚血による,細胞外液浮腫を捉えるために拡散強調画像を撮影する.
2.超急性期の脳梗塞を否定するためにFLAIR法を撮影する場合がある.
3.ADC mapは通常はb値1000mm2/secの画像のみで作成できる.
4.造影剤を用いた灌流画像を撮影して,拡散強調画像の病変範囲を比較することがある.
5.拡散強調画像で脳梗塞を認めることができなかった場合.超急性期の脳梗塞を完全に否定することができる.

答えと解説

1.○

2.○ intra arterial signal

3.× 2つ以上のb値を用いて作成する

4.○ diffusion-perfusion mismatch

5.× 発症直後は拡散異常を来さず、DWIといえども異常信号は出現しない

37) クエンチに関して,正しい文章を選択して下さい.(正解1つ)

1.ヘリウムガスが漏れ,大気中の酸素濃度が25%以上になると呼吸困難となる.
2.ヘリウムガスは床付近にたまる.
3.ヘリウムガスは毒性があるため注意が必要である.
4.クエンチは液体ヘリウムに浸した磁石の線材が過度に熱せられることによって発生する.
5.精度管理のため,定期的にクエンチを行なうことが必要である.

答えと解説

1.× 大気中の酸素濃度が18%以下になると呼吸困難となる

2.× 天井からたまる

3.× 毒性はない

4.○

5.× 必要ない

38) MR装置に使用される冷媒(ヘリウム及び窒素)の特性について,正しいものを解答して下さい(正解4つ)

1.無臭
2.不燃性
3.非毒性
4.気化した場合,周囲に低温霧を生じる.窒素の霧は急速に床に降下する.
5.室温(20℃)では,1Lの液体ヘリウムからは約50Lのヘリウムガスが発生し,1Lの液体窒素からは約30Lの窒素ガスが発生する.

答えと解説

1.○

2.○

3.○

4.○

5.× 1Lの液体ヘリウムから約700Lのヘリウムガスが発生する

39) 女性骨盤領域のMRIについて,正しい文章を選択して下さい.(正解2つ)

1.卵巣腫瘤性病変内に巨視的脂肪成分が存在すれば,成熟奇形腫と診断できる.
2.出血性嚢胞と子宮内膜腫の鑑別には,脂肪抑制T1強調画像が有用である.
3.MRIは,卵巣癌,子宮内膜癌,子宮頸癌や膣癌の病期診断に有用である.
4.卵巣捻転のMRI所見としては,卵巣の腫大,付属器腫瘤への子宮の偏位,腹水の存在,捻転し壊死した卵巣の造影濃染などがあげられる.
5.子宮筋腫と子宮腺筋症はともに子宮筋層に発生する病変で,ともにT2強調画像では低信号で,単純MRIのみでは両者の鑑別は困難である.

答えと解説

1.○

2.×

3.○

4.× 梗塞に陥った卵巣実質および茎捻転には造影効果は認められない

5.× 子宮腺筋症はT2WIで境界不明瞭な低信号病変が認められる
  子宮筋腫はT2WIで子宮筋層よりも低信号を示す境界明瞭な腫瘤として認められる

40)小脳橋角レベルでのT2強調反転像である.AからCの部位と名称で正しいものを選択してください(正解1つ)<写真あり>

1.A‐聴神経      B‐顔面神経   C‐外転神経
2.A‐顔面神経   B‐聴神経      C‐外転神経
3.A‐滑車神経   B‐聴神経      C‐外転神経
4.A‐聴神経      B‐顔面神経   C‐三叉神経
5.A‐顔面神経   B‐聴神経      C‐三叉神経

答えと解説

画像がないので回答できず


いかがでしたか?参考になれば幸いです。

試験勉強は大変ですが、引き続き頑張っていきましょう!

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