診療放射線技師が教える!成功する転職術と実践ポイント【3回の転職経験から】
みなさん、こんにちは!
さっそくですが、転職について考えたことはありますか?
ずっと同じ会社で働くのが普通じゃないの?
昔はそれが当たり前だったけど、変わってきてるよ!
日本には終身雇用制度があり、一つの会社で働き続けるのが普通でした。
しかし、終身雇用制度が崩壊しつつある現在、自分の身は自分で守る必要があります。
つまり、個人の知識やスキルを磨くことがより一層重要になっています。
まずは現在、自分がどのようなスキルを持っているのか、自分の市場価値はどの程度なのかを把握する必要があります。
その答えが転職活動にあります。(転職にはリスクが伴いますが、転職活動自体にはリスクはありません)
これは診療放射線技師に限らず、他の職種の方にも参考になると思います。
今回は、私が3回の転職で得た知識や経験を公開します。
- 転職活動の意義
- 転職活動のメリット・デメリット
- 診療放射線技師の転職事情
- 転職後の処世術
自己紹介
転職活動を語る前に、私のプロフィールを紹介します
都内の4年制大学で診療放射線技師の資格を習得し卒業
新卒で病床数500規模の病院に就職
⇨ ①外資系医療機器メーカーに転職
⇨ ②病床数700規模の病院に転職
⇨ ③病床数700規模の病院に転職(現在に至る)
上記の通り、3回の転職に成功しています
診療放射線技師は飽和状態で転職をするのは難しいです
なので、ここまで転職を成功させているのは珍しいと思います
なぜ転職活動をするのか?その意義とは
転職活動の大きな意義は3つあります
- 知識やスキル・実績の再認識
- 自分の市場価値を知ることの重要性
- 自分の仕事に満足していますか?
1つ1つ説明をしていきます
① 知識やスキル・実績の再確認
今までの実績を確認しよう
転職の第一歩として、転職を希望する会社や病院に履歴書、職務経歴書、自己PRを提出しなければなりません。
これらの書類には、これまで自分がどこで何をしてきたのか、何を成し遂げたのかを記載します。
つまり、仕事に対してどのような姿勢で取り組んできたのか、その中でどのような経験や技術を身につけたのかを履歴書などに可視化することで、自分のスキルを再認識できます。
- 言われるがまま仕事をしてきた人
- スキルなんて思いつかないという人
- ただ検査をこなしてきた人
このように思っている人でも、
履歴書や職務経歴書に書き出して可視化することで、「私、色々と経験してきてたんだ!」と確認できます。
どんな些細な仕事でも、その中から自然と学んできているのです。
- 患者さんが困っているときに率先して手を差し伸べた
- 楽に検査を受けられるように、相手の立場になり工夫をした
- 良い検査をするために、資格を習得してスキルを磨いた
上記のようなことは立派な業績です。
このような事を再確認でき、さらに自分に足りていない知識やスキルを知るだけでも、転職活動には大きな意義があります。
② 自分の市場価値を知ることの重要性
自分の価値を正確に判断しよう
現在の給料や待遇に不満がある場合、まずは自分の市場価値を知ることが重要です。
市場価値とは、「会社や病院からどれだけ必要とされている人材か」を示します。
会社や病院は、あなたのスキルや経験の対価として「お金」を支払います。
あなたは、その「お金」の対価として培ってきたスキルや経験を活かして仕事をします。
この需要と供給の関係が市場価値です。
一つの会社や病院に長く勤めていると、自分の市場価値を正確に判断することは難しいかもしれません。
転職活動を行うことで、他の会社や病院から「このくらいの待遇で働かないか?」というオファーが来ます。
そのオファーの待遇が現在よりも低ければ、「今の会社の方が高く評価してくれている」と確認できます。その場合、転職しなければいいだけです。
大事なのは、 『自分のスキルや経験の価値は、自分で決めるものではなく、他人から評価(給料)されるものです』(自らが報酬を決める立場でない限り)
③ 自分の仕事に満足していますか?
楽しく続けれる仕事をしよう
「今の仕事は好きですか?」「現在の仕事が自分に合っていると思いますか?」
私は病院勤務から外資系医療機器メーカーに転職しましたが、病院で働くことの楽しさややりがいを再認識した結果、再び病院で働くことを決めました。
もし現在の仕事にやりがいを感じず、他の仕事の方が合っていると感じるなら、他の職種を経験してみるべきです。
例えば、あなたはどのラーメンが好きですか? 醤油? 味噌? 豚骨? 塩?
「醤油ラーメンが好き」「味噌ラーメンが好き」と答えられるのは、色々な味のラーメンを試した結果です。初めて醤油ラーメンを食べた時に「いまいちだな」と思っても、他の味のラーメンを試した結果、「やっぱり醤油ラーメンが一番だな」となる人もいます。冒険してトマトラーメンを食べたら、それが一番美味しいと感じる人もいるでしょう。
つまり、経験しないと本当に自分が好きなものは分かりません。
仕事も同じで、頭で「自分にはこの仕事が合ってる」と考えても、実際に経験しないと分かりません。
人生の中で仕事が占める割合は非常に大きいです。だからこそ、好きな職場で好きな仕事をする方が幸せだと思います。自分が好きでないと、良い商品やサービスは提供できません。
嫌な職場ならば無理をする必要はないです。
常に準備をして、いつでも脱出できるようにするのが大事です。
転職のメリット・デメリット
ここまで転職活動の意義を説明してきました
じゃあ、早速転職だ!!
待った!!転職は良いことだけではないよ!
次は私の体験談を含めて、実際に転職をした時のメリット・デメリットを紹介します
転職のメリット
メリットは以下の通りです
- 待遇(給料や福利厚生)が良くなる
- 転職先で新たなスキルや知識が身に付く
(病院によって検査の方法や重点を置いている疾患が異なるので勉強になる) - 同じ業種なら今までの知識やスキルを活かせる
(0からのスタートではない→メリットでもありデメリットでもある) - 転職に成功したという自信ができる
- 新しい人脈を得れる
(同じ業種でも他業種でもつながりが増えると得られる情報が増える) - 仮にリストラや倒産してもすぐに行動できる
(転職の経験を活かすことができる)
転職のデメリット
デメリットは以下の通りです
- 即戦力としてのプレッシャー(最初だけ)
- やりたい仕事を優先した結果、給料が下がる可能性もある
- 退職金が減る(勤続年数に応じた退職金や退職金控除がある)
- ブラック企業の可能性(実際に働かないと分かりにくい)
- 転職回数がクセになる(我慢する必要があるのかはわからないが、継続することで得られることもある)
- 前職とやり方が違うことがあるので、慣れるまでに時間が必要
正直、大したデメリットはありません
診療放射線技師の転職事情は?
診療放射線技師の就職先を教えて
ざっくり分けると病院と企業の2つだよ
病院に就職する
病院には1次救急、2次救急、3次救急などの違いや、大学病院、都立病院、国立病院、地域病院、クリニックなどの病床数による規模の違いがあります。
一般的には、大きな病院の方が給料や福利厚生が良い傾向にあります。
- 1次救急:入院の必要がなく帰宅可能な軽症患者に対して行う救急医療
- 2次救急:24時間体制で救急患者の受け入れができるようにスタッフや医療体制が整っている
- 3次救急:一次救急や二次救急では対応できない重症・重篤患者に対しておこなう医療
同じ2次救急でも、病院によって提供できる医療(専門)は異なるので一概には言えません。
やはり1次救急より3次救急の病院の方が忙しく、より高度な医療を提供しています。
私は2次救急と3次救急の両方で勤務経験があります。どちらからも多くのことを学び、知識や経験が強い武器となっています(ただ、3次救急は本当に忙しかったですが)。
転職の時に病院を選ぶコツ
どんな医療に携わりたいかを考える(救急医療、がん医療、小児専門など)
「自分がどんな医療に関わりたいか」をまず考えてみましょう。
救急医療、がん医療、小児専門など、興味のある分野を明確にすることが重要です。
もしまだ分からなければ、総合病院など様々な医療を提供している病院がおすすめです。
幅広く勉強しながら、自分が興味のある分野を探すことができます(例:整形領域、循環器領域など)
病院の規模を確認する
病院の規模が大きくなると、持っている医療設備が豊富になる傾向があります。
例えば、CT装置はあるけれどMRI装置はない病院もあります。
自分がMRIをやりたいのにMRI装置を持っていない病院に就職すると後悔することになります。
特に、核医学や放射線治療などは大きな病院でないと扱っていない場合が多いです。
転勤の有無を確認する
病院によっては系列病院への転勤がある場合があります。
まずは「転勤しても大丈夫か」「転勤は嫌なのか」をしっかりと自分の中で答えを出してください。
非常に大事なことですので、しっかりと確認をしましょう。
企業に就職する
次は病院以外の企業についてです。
企業にも様々な種類があり、今までの経験を活かせる医療メーカーや、これまでの経験が通用しない会社などがあります。
医療機器メーカーの選び方
医療機器メーカーでも、国内企業と外資系企業で異なります。
また、扱っているモダリティ(CT、MRI、治療、核医学など)も違うので、きちんとリサーチしましょう。
医療メーカーでは最新の機器を取り扱うため、最新の技術や装置を常に学びたい人にとってはとても良い環境です。
私はCT装置やMRI装置に携わる仕事がしたかったので、外資系医療機器メーカーに転職しました。
そこでアプリケーションの仕事をしていました。
アプリケーションとは?
アプリケーションの仕事とは、装置を新規に導入した病院に行き、撮影条件の初期設定や撮影方法を医師や診療放射線技師にトレーニングし、医療を提供できる状態にすることです。また、現場で起きた撮影や装置のトラブルに対処する役割もあります。
企業は病院を裏で支えていると考えてもらえれば良いでしょう。
病院と企業どちらがいいか?
やりがい面
人それぞれですが、私は病院勤務の方が仕事にやりがいや楽しさを見出すことができました。
医療メーカーでは最新の機器を取り扱うため、最新の技術や装置を常に学びたい人にとってはとても良い環境です。
私もそのような考えを持っていましたが、最新の技術を学ぶ中で、「この知識や技術を直接患者さんに提供して、良い医療を行いたい」と強く思うようになりました。
医療メーカー勤務では病院のスタッフをトレーニングし、そのスタッフが患者さんに医療を提供するので、間接的には私も関わっているのですが、「なんか違うな」と感じ、再び病院に転職しました。
待遇面(給料)
企業の方が給料は高い傾向にありますが、病院の方が安定した給料体系です。
企業では業績や成果によりボーナスが変動するのが一般的です。企業の給料は景気に左右されます(良い意味でも悪い意味でも)。
一方、病院は景気に左右されにくく、一定の患者数が見込めるため安定しています。
ただし、今回のコロナ禍では病院もかなりの経済的ダメージを受けました。
実際に私が働いている病院でも、診療を制限せざるを得ない状況で、ボーナスを出すのが難しいと言われました。
経験から見えること
企業と病院の両方を経験しましたが、どちらも一長一短です。
何事も経験することで見えることがあるので、まずは挑戦してみてください。
転職活動をしてみよう
次は「どのように転職活動をするのか」を説明します
準備編
履歴書の作成
履歴書に貼る証明写真は写真屋で撮りましょう。
第一印象はとても大事です!履歴書は写真と文章で判断されますので、証明写真機よりも質の高い写真で好印象を狙いましょう。
ライバルよりも好印象を与えるためにも、プロに撮ってもらうのが一番です。
職務経歴書の作成
職務経歴書は履歴書では詳細に書けない仕事内容や培ってきた経験・知識を記載します。具体的に書くことで、以下の点を明確にします
- どんな仕事をしたのか
- その中で得た知識や経験は何か
これにより、自分のスキルや経験を再確認することができます。
自己紹介文(自己PR)の作成
自己PRは病院や企業によっては提出が不要な場合もありますが、準備しておきましょう。
職務経歴書で再確認した自分のスキルや経験を、どのように活かして貢献できるかを記載します。
資格の習得
資格マニアになる必要はありませんが、全く資格を持っていないと、自分の強みを説明する際の根拠が薄くなります。
資格は客観的に判断できる材料となり、現在の職場でも転職時でも役に立ちます。
学会発表
専門的な学会で発表した経験があると、やる気や知識の証明になります。
これは自分の強みとも言えます。
今までやってきたこと全てが転職準備につながると考えてください。
日々の仕事を頑張ることも立派なスキルとなります。
実践編
気になる病院のホームページを頻繁にチェック
病院の求人は、病院のホームページで公開されることが多いです。
転職サイトにも掲載されることがありますが、雇用側にとって転職サイトの利用は費用がかかります。
知名度の高い病院はホームページで募集するだけで応募者が集まるため、ホームページを頻繁にチェックして求人を逃さないようにしましょう。
また、ホームページには病院や企業の理念が掲載されており、どのような人材を求めているのかが分かります。どんなに優秀でも理念や求める人材像と合わなければ採用されません。
求人内容を確認(給料や福利厚生)
何が目的で転職するのかにもよりますが、給料や福利厚生は重要です。
やりがいの搾取をされないためにも、給料や福利厚生をしっかり確認して、お互いに気持ちの良い転職を目指しましょう。
実際に病院や企業に足を運んでみる
実際に現地を確認することは非常に重要です。以下の事項を確認しましょう
- 駅からの距離
- 家からの通勤時間
- 職場の雰囲気
直感で雰囲気が合わないと感じる場合は、その選択肢を再考するのが良いでしょう。
転職サイトに登録
病院の求人は転職サイトに掲載されないこともありますが、医療機器メーカーなどの企業はほとんど掲載されます。
転職サイトから給料や福利厚生などの情報を確認できたり、現在募集をしているのかを確認できます。
また、給料の交渉など自分では難しいことも代行してくれます。
転職サイトは企業側が費用を負担しているため、私たち利用者は無料です。
複数の転職サイトに登録し、自分に合ったものを選ぶと良いです。
転職サイトで面接の練習や求人の相談
転職サイトでは、自分が書いた履歴書や職務経歴書の添削をしてくれます。
客観的な視点で見てもらうことで、自分では気づかなかった強みを発見できます。
また、面接の練習もしてくれるので、積極的に利用すると良いでしょう。
転職後の振る舞い方のポイント
実際に転職が成功したら、そこからがスタートです。
新しい職場での振る舞い方のポイントを紹介します
職場の人はみんな先輩です
年齢や経験など関係なく、吸収できるところはたくさん吸収しましょう
前の職場でのやり方を持ち出すのは避ける
前の職場でのやり方を持ち出すのは避けましょう。
人によっては「遠慮せずに前の職場と違うところを言ってね」と言ってくれますが、基本的には控えた方が無難です。
「前の職場とうちの職場は違うから」と感じる人もいるので、心の中で留めておきましょう。
ただし、仕事の効率化や利益向上につながる場合は、前の知識や経験を活かすべきです。
誰にでも笑顔で挨拶しとく(相手より先に)
挨拶は基本です。
相手より先に笑顔で挨拶をすることで好印象を与えられます。
挨拶をしないで嫌われることはありますが、笑顔で挨拶をして嫌われることはほとんどありません。
(笑顔で挨拶して嫌ってくるような人は相手にしなくていいです。時間と気力の無駄です。挨拶だけしといて距離を取りましょう)
職場の雰囲気を感じ取る
日本では「出る杭は打たれる」という風潮があります。
とりあえず雰囲気を掴んでおくことが大事です。
名前を速攻で覚える
人は名前を覚えられると嬉しいものです。
挨拶の時に「〇〇さん、おはようございます」と名前を呼びかけるだけで好印象です。
まとめ:転職活動はおすすめ
転職活動をすることで得られるメリットは以下の通りです
- 転職はリスクがありますが、転職活動にはリスクがありません
- 転職活動を通じて知識やスキルを見直すことができます
- 自分の市場価値を知ることができます
- 自分にとってやりがいのある仕事や好きな仕事が分かります
- 転職成功の経験を持つことで、いざという時に転職できる自信がつきます
また、職場恋愛についても触れておきます。職場で良い出会いがあるかもしれませんが、職場恋愛は別れた時が厄介ですので、慎重に考えましょう。
全員が転職をした方がいいとは限りませんが、今まで積み重ねてきたことを再認識する意味でも、履歴書や職務経歴書を作成することは大事です。
転職サイトは無料なので、複数登録して自分に合ったものを選ぶと良いです。
以上参考になれば幸いです
それではまた次の記事でお会いしましょう!
バイバイ